「森ガール(森にいそうな女の子をテーマにした、ゆるいファッションや生活を楽しむ女性)」、「山ガール(おしゃれに登山を楽しむ女性)」など、特定のジャンルにハマっている女性に対する「●●ガール」という呼称が定着して久しいが、また新たな「ガール」が登場した。
「狩りガール」という。ゲームやファッションではなく、実際に山や森へ狩猟に出向く女性を指す。男性のイメージが強い狩猟だが、最近女性が増えつつあるというのだ。
「第1種銃猟免許」所持する女性の割合が増加
環境省の発表によると、1975年度には51万8000人いた狩猟人口は、2010年度には19万人にまで減少している。このうち60歳以上が12万2000人で、人口減に加え高齢化という問題も抱えている。
一方で女性の人口は少しずつ増えていて、装薬銃と空気銃を使用した猟ができる「第1種銃猟免許」所持者のうち女性の割合は、01年には0.5%に満たなかったのが、09年には0.7%に伸びている。
大日本猟友会が運営する「目指せ!狩りガール」というサイトでは、女性が狩猟を始めるきっかけの一例として「食べ物に対する関心から、米や水、野菜、魚だけでなく、自分で納得できる〈肉〉と向かい合うライフスタイルを選んだ」「都市農村交流の中から野生鳥獣による食害・獣害を目の当たりにし、森林保護・環境保全に関心を持った」「山歩きだけでは物足らず、少しだけステップアップしようと思った」の3つを挙げている。
エゾシカ料理店を訪れたのがきっかけに
「目指せ!狩りガール」では、実際に猟銃所持許可と狩猟免許を取得し、「狩りガール」の一歩を踏み出した女性も紹介している。彼女はエゾシカ料理の専門店を訪れたのをきっかけに、「このお肉がどうやって来たのか?獲るところを見てみたい」と思い、また狩猟が森林保護につながると聞いて「カッコいい」と感じ、「狩りガール」を目指したそうだ。
大日本猟友会の冨山章彦氏によると、「狩りガール」はここ2~3年で増えてきたという。野生鳥獣の肉を食べる「ジビエ料理」が世間に広まり始めたことと、農作物の獣害が取り沙汰されたことが背景にあるとみている。
「目指せ!狩りガール」のサイトを見た女性からも、「興味を持った」という感想や、「狩りガールを目指し始めた」という報告が寄せられているそうだ。