米マイクロソフト(MS)の基本ソフト「Windows XP」のサポートが2014年4月9日(現地時間8日)に終了した。ウイルス感染や不正アクセスのリスクが高まるため、MSは最新環境への移行を促している。
そうした中、終了前日の8日に放送された「報道ステーション」(テレビ朝日系)で、サブキャスターがMSに「無料交換」を求める発言をしたため、インターネット上で物議を醸している。
「慈善事業じゃない」「変えなきゃ儲からない」
2001年10月に発売されたWindows XPは自治体や中小企業での利用も多く、2013年時点の調査データによれば、国内で使われているWindowsパソコンの約3分の1に搭載されていた。サポート終了は突然告知されたわけではなく、特に1年前からは「移行支援強化期間」として各種支援が行われていた。サポートが終了しても利用することは可能だが、ウイルス感染や不正アクセスの危険性が高まってしまうため、MSは最新版への移行を呼びかけている。それでも、買い替えはなかなか進んでいないのが現状だ。
報道ステーションでは8日、国内では未だ1225万台が未更新のままだとして、サポート終了に困惑する個人利用者や地方自治体、企業の声を紹介した。それを受け、サブキャスターの小川彩佳さんが「お金が大変ですよ。無料交換してくださればいいのにって思っちゃうんですけどね」と、サポートを終了するのならば最新版を無料で提供すべきとの見方を示した。
これにはキャスターの古舘伊知郎さんが「Windows側はこれだけ長くアナウンスしてきたっていうのがあるでしょう」と返していたが、インターネット上では、「変えさせないと儲からないからな」「慈善事業ではない」「企業の都合だから負担すればいいのにぐらいの感覚で思っているんでしょうかね(苦笑)」などと、小川さんの発言に対する批判が相次いだ。
さらに地デジ化の話を引き合いに出して、
「それって、『テレビが地デジ化するなら液晶テレビを無償交換してほしい』って言ってるもんだぞ」「まだアナログテレビ持ってる人が大勢いるのにアナログ地上放送からデジタルに移行したのはどの業界でしたっけ」「いきなり地デジとか言い出してテレビを買い換えさせたテレビ局がウインドウズXPの保障切れに文句を言ってるだと、、、」「まさにブーメランだな」
という意見も出た。
MS会見で質問したTBS記者にも非難集中
報道ステーションに加えて注目を集めているのが、8日のMS記者会見に出席していたというTBS記者の質問だ。実際の放送では、質問の様子は流れなかったようだが、会見に出席していた複数のライターや記者が、
「TBS『XPのサポート打ち切ることに対して、消費者に申し訳ないという思いはないのか』会場失笑」
「そういえば、今日のMSの発表会で、TBSが『XPの終了についてすまないとかそういう気持ちはないのか』みたいな質問してたけど、『企業の都合で終了、そんなの許さん』みたいな頭なんだろうねぇ」
などとツイッター上で明らかにしたため、ネット上で拡散、非難が集まることとなった。
ちなみにXPのサポート期間はWindows OSの中で最も長い12年半に及んでいた。また、2009年4月にサポートが終了する予定だった家庭向けの「XP Home Edition」は広範囲に普及していて社会的影響が大きいことから、5年間の延長がなされたのだ。そうしたMSの対応を知る人たちからは、今回の2例に「MSも利益必要だけど何度もサポート延長してるのに」「MSがあれだけサポート延長したり打ち切りを事前に告知してたのに今更この質問?恥かし過ぎる」との声を上げている。