調査委への「驚きと憤り」が「お詫びと感謝」に 小保方氏「変節」、ひたすら理研批判封印

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   理化学研究所(理研)の小保方晴子・研究ユニットリーダーが2014年4月9日に開いた会見では、終始「ご迷惑をおかけした」「未熟だった」と陳謝を繰り返した。

   調査結果発表直後に表明していた「憤りの気持ち」は事実上撤回した形で、2時間半の会見では、ひたすら理研批判を避けた。小保方氏は「研究を続けていきたい」とも明言しており、重い処分を回避した上で理研に残留する狙いがあるとみられる。

「憤り」の文言は「先生方が強い気持ちのコメントを書く手伝いをしてくださった」

   小保方氏は、3月31日に調査委員会の最終報告を聞いた時には、「驚きと憤りの気持ちでいっぱいです」と激烈な不満を示していた。ところが今回の会見では一転、

「そもそも、私が図表を正しく提示していたならば調査委員会自体も必要なく、お忙しい中調査に研究してくださった調査委員の先生方々にも、心からのお詫びと感謝を申し上げたい」

と「お詫びと感謝」するほどの「変節」ぶりだ。この点について、小保方氏は、

「(調査結果を説明する場に弁護士の)先生方が同席している中で、私があまりにも落ち込んでいたので、先生方が強い気持ちのコメントを書く手伝いをしてくださった」

と釈明し、室谷和彦弁護士も、

「調査委員会を非難しているわけではない。短い期間で調査されたこともあって、再調査をいただいて、このあたり(反論の内容)を十分に調査いただいた上で、正確な判断をしてほしい」

と歩調を合わせた。

「理研に裏切られた」という思いは「持つべきではない」

   質疑応答では理研に対する批判を誘導しようとする質問も相次いだが、小保方氏は、ことごとくかわしてみせた。

「理研に裏切られたという気持ちはないのか」

という問いには10秒以上沈黙し、

「そのような気持ちは持つべきではないと思っている」

と声を絞りだした。理研に対する思いを聞かれると、

「ご迷惑をおかけして申し訳ない」

と話し、3月の中間調査発表で野依良治理事長が

「未熟な研究者がデータをずさん、無責任に扱った」

と厳しく批判したことについても

「重く受け止めて、肝に銘じていきたい」

と反論しなかった。

   小保方氏は自らの今後については、

「未熟な私に、もし研究者としての今後があるのであれば、やはりこのSTAP細胞が誰かの役に立つ技術になるまで発展させていくんだという思いを貫いて研究を続けていきたいと考えている」
「自己流で走ってきてしまったので、ゼロからではなくマイナス100からだと思って科学や研究に向き合っていくチャンスがあればと思っている」

と涙ながらに語っている。小保方氏としては、再調査に持ち込んで「減刑」を勝ち取り、理研での研究環境を確保することを念頭に置いているとみられる。

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