理化学研究所が、STAP細胞の論文不正問題についての最終報告書を、2014年4月4日付で一部修正していると読売新聞が6日報じた。小保方晴子ユニットリーダーが、正しいデータに差し替えたいと追加提出していた画像4枚が削除されているという。
最終報告書であるにもかかわらず修正が行われたこと、また修正について公式に説明がない点にネットでは疑問を持つ人も多い。
ねつ造認定への反論画像を削除
読売新聞によると、修正が行われたのは4月1日付で発表された「研究論文の疑義に対する調査報告書(スライド)」の12ページ目だ。削除された画像4枚は、自身の博士論文の画像と酷似していたため「ねつ造にあたる研究不正行為」と認定されたことへの反論として提出したものだった。
同報告書は理研のホームページでも確認することはできるが、「(2014年4月4日修正)」と書いているだけで、どの部分を何のために修正したのかは理研から公式の説明がない。
突然の修正に対して、ネットでは「画像が正しいから削除されたのか」、「なんで削除したのかな?理研に都合悪いから?」と疑問の声が上がっている。
読売新聞(4月6日朝刊)の取材に対して理研広報室は、「調査委に提出された画像であっても、論文としては未公表のデータにあたる」と知的財産の観点から掲載を取りやめたとしている。
調査委員会が3月14日付で発表していた中間報告書の画像も同様に削除されており、「調査委員会自体がこっそりと修正を繰り返して、理由の説明もしない。しかも必ず画像やデータが少なくなる」と、ネットでは不信感を募らせる人もいる。
「捏造は理研の方だったのか!」
こうしたことから、一部からは、「捏造は理研の方だったのか!」、「意図的な自分達の主張を展開するためにしたのだから、これは報告書の『捏造』なのでは?」という意見まで出始めている。論文の「ねつ造」を調査した理研の報告書が、いつのまにか修正されるようでは、信ぴょう性に欠けるのではないかというわけだ。
さらに、今回の修正をきっかけにネットでは小保方氏を擁護する意見が息を吹き返している。小保方氏が「週刊新潮」(2014年4月10日号)の取材に対し、「大きな流れに潰されそう」、「大きな力が働いている」と明かしていたことから、「ミスをした未熟な研究者にすべての責任を押しつけて、腐った体質を隠蔽しようとする悪意のある力の存在を感じる人はすくなくないんじゃない?」、「若いのに、それまでの科学の常識を打ち破るような発見をしちゃうと、老人達は気に食わないだろうね」と支持者は声を上げる。
小保方氏は4月9日までに理研に不服申し立てを行い、前後して会見を開く意向だと代理人を通して明らかにしている。しかし、スポーツ報知の記事(4月5日)では、小保方氏は体調不良で、「入院してもいいですか?」と代理人にメールしているという。会見の中止の可能性もあり、まだまだSTAP細胞をめぐる混乱は長引きそうだ。