別人に作曲させていた「偽ベートーベン」こと佐村河内守氏が、悪ふざけをするネットユーザーの恰好のネタになっている。
「耳がまったく聞こえない」としていた同氏を題材にしたスマートフォン向けゲームアプリ「本当は耳が聞こえてるんじゃないの?」が作られたほか、コラージュ画像なども大量に出回った。
「くだらない、けど面白い」
佐村河内氏は音が歪んでほとんど聞き取れないと主張しており、2014年3月7日の記者会見では手話通訳を使ったが、記者の質問に対して即座に答えて「まだ手話通訳は終わってませんよ」と突っ込まれる場面もあった。ネットでは「聞こえてるじゃんw」「もう聞こえない設定破綻してるだろwww」などと感想が会見中継の最中から書き込まれていた。
そんな疑惑を題材にしたスマホアプリが「本当は耳が聞こえてるんじゃないの?」だ。曲作りの依頼を受けた「耳が聞こえない設定」の作曲家が、新曲を作るために瞑想に励むというゲーム。アプリの説明書きには、
「本当は耳が聞こえてる という事実がバレないように、外からの呼びかけを無視し、音楽を完成させましょう!! ゴーストライターは必要ない!」
という言葉がある。
アプリを起動すると画面には長髪と髭、サングラス姿の男性が耳をそばだてるイラストが表示される。ゲーム中は音符マークが画面上部から降ってくるので、男性キャラを左右に動かしキャッチするとポイントが増える。音符に紛れて降ってくるメガホンのマークを取ってしまうと、耳が聞こえることが周囲にバレてゲームオーバー、「聞こえてるじゃないか!」と指をさされる。
ネットでは、
「くだらなすぎワロタwww 」「くだらない、けど面白い 作った人は、暇なひとだな~」
といった反応が出ている。
佐村河内氏とピアノを組み合わせたゲームアプリ「聞こえてんじゃね?~あの男を振り向かせろ!~」も公開された。スマホ画面のピアノの鍵盤を連打して「聞こえないふり」をする同氏を振り向かせるという単純なゲームだ。NHKスペシャルのキャプチャ画像に、ピアノの鍵盤を貼り付けただけの強引な作りで、画面を連打して規定回数に到達すると顔面部分が別の画像に切り替わる。
もし佐村河内氏が「逆転裁判」に登場したら
また、裁判が題材のゲーム「逆転裁判」にもし佐村河内氏が登場したらという仮定で、元のコンテンツを再構成した「MAD動画」が3月7日、ニコニコ動画に投稿された。既存のキャラクターを同氏の写真に差し替えたほか、手話通訳者としてネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領の追悼式で「でたらめ手話」をした男性も登場する。動画の再生回数は20日時点で85万回を超える人気ぶりだ。
コラージュ画像も大量に作られ、ジブリ映画「耳をすませば」のポスターに同氏の顔をはめ込んで「耳が聞こえる」と書いたものや、「STAP細胞」の小保方晴子氏やiPS細胞移植の虚偽発表をした森口尚史氏との集合写真のようなものもある。その数は増え続けていて、コラージュ画像の便利な素材として使われる川越達也シェフのような存在に近づきつつある。川越シェフの場合は本人が遊びとしてコラージュされることを了承しているが、佐村河内氏などは本人の意向や肖像権、番組著作権などとは無関係に増殖しているようだ。