安倍晋三首相は2014年3月10日夕方、東日本大震災の発生から丸3年を前に首相官邸で会見し、常磐自動車道を15年の大型連休までに全線開通させる意向を表明した。
福島県東部の浜通り地方へのアクセスを改善し、復興を加速させる考え。
全通は16年度以降にずれ込むとみられていた
常磐道では、震災が原因の通行止めはすでに解消されており、東京から常磐富岡インターチェンジ(福島県双葉郡富岡町)まで開通している。工事が進んでいる山元-相馬間(24キロ)と南相馬-浪江間(32キロ)が完成すれば、東北自動車道に続く首都圏-仙台圏を結ぶ動脈ができることになる。
安倍首相は、
「原発事故で大きな被害を受けた福島の浜通り地方を南北に貫く常磐自動車道の完成は、復興の起爆剤になるはず」
として、15年3月だった仙台-浪江間の開通予定を14年中に前倒す考えを明らかにした。16年度以降にずれこむとみられていた全線開通も15年の大型連休直前に前倒す。
13年度いっぱいで打ち切られる予定だった避難者に対する高速道路の通行無料措置も継続する。
「毎日官邸で福島産のお米食べてパワーもらっている」
2020年に予定されている東京五輪については、
「その準備が復興の障害になってはならない。復興に必要な人や資材の確保に、国が先頭に立って引き続き万全を期すことは言うまでもない。むしろ、東北が復興の成し遂げた姿を世界に発信する機会にしなければならない」
と話し、被災地の小学生を五輪に招待する意向を明らかにした。
被災地産の作物については、
「国会審議が連日続いているが、その合間に毎日官邸で福島産のお米を食べてパワーをもらっている」
と述べ、風評被害払拭への取り組みをアピールした。