正恩氏の放蕩ぶり暴露した「元専属料理人」 「張成沢のように私は消されるかもしれない」

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   北朝鮮の故・金正日総書記の元専属料理人で日本人としては唯一、金正恩第1書記の幼少期を知るとされる藤本健二氏が英紙のインタビューで、かつての正恩氏の「悪ガキ」ぶりを暴露した。7歳でベンツを買い与えられて車の運転を覚え、北朝鮮が食糧難の時に東京まで魚を買いに行かせたりする、といった放蕩ぶりだ。

   藤本氏は2012年に訪朝して正恩氏と11年ぶりに再会し、この時に脱北して日本に帰るという「裏切り行為」を許されたという経緯がある。だが、13年末に国防委員会副委員長だった張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑されたこともあり、正恩氏の内情を暴露した藤本氏は「張成沢氏にしたことを私にもするかもしれない」と危機感を募らせている。

「『藤本はうそつきだ』という評判が広まってしまった」

藤本氏は、正恩氏が「張成沢氏にしたことを私にもするかもしれない」と危機感を募らせている(12年12月撮影)
藤本氏は、正恩氏が「張成沢氏にしたことを私にもするかもしれない」と危機感を募らせている(12年12月撮影)

   藤本氏が訪朝したのは12年7月下旬から8月初旬にかけて。このときは藤本氏が正恩氏に「裏切り者の藤本が帰ってきました」と詫び、正恩氏が「いいから、いいから」と11年前の藤本氏の脱北を問題視しない立場をとっていた。

   藤本氏は、9月にも再訪朝することで正恩氏と約束していたが、ビザが下りず断念。日本政府関係者の圧力が原因でビザが下りなかったと藤本氏は主張しており、再訪朝が流れたため、北朝鮮の藤本氏に対する心象が悪化したとみていた。

   12年12月の会見では、

「(9月1日に再訪朝するという)今年最初の約束を、私が破ってしまった。だから共和国国内では、『ほら見なさい、藤本はうそつきだ』というあれ(評判)が広まってしまったと思いますね」

と推測していた。それから1年以上経ち、危機感はさらに強くなっているようだ。

   英デイリー・エクスプレス紙が14年2月24日に掲載した藤本氏のインタビューでは、

「正恩氏が、私の裏切りに対して許すと言ったことを取り消し、張成沢氏にしたことを私に対してもするかもしれない。最初から存在していなかったかのように、私を消すかも知れない」

とまで訴えた。

   もっとも藤本氏はインタビューの中で、正恩氏の怒りを買いそうなことを数多く明らかにしている。藤本氏によると、正恩氏は幼少期から短気で、他人を怒鳴りつけることもしばしば。兄の正哲(ジョンチョル)氏と専用コートでバスケットボールを楽しむ時も、正哲氏は温厚なのに対して、正恩氏は選手にきつくあたることがあったという。

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