静岡県にあるトヨタ自動車系列のディーラー、ネッツトヨタ静浜で、敷地内に置かれているクルマの上に載って、ふざけて遊ぶ4人の整備士の写真がインターネット上に流出した。
クルマを修理・整備する立場にあり、また正社員である整備士が、整備どころか傷をつけるような「テロ行為」に走ったと、騒動になっている。もっとも、安心して「悪ふざけ」できる理由もあったようで…。
整備士は正社員、「意識が低いなぁ。」
流出した写真の整備士が所属するディーラーは、ネッツトヨタ静浜の藤枝瀬戸マイカーセンターで、トヨタ系の新車や中古車の販売から車検・修理、整備を行っている。
写真からは、4人の整備士が、整備のため持ち込まれたとみられるクルマのボンネットや天井に載って、悪ふざけをしている様子がうかがえる。これに、アルバイト店員が自らが働いている店で迷惑行為に及ぶ「バイトテロ」が、正社員にまで広がったと、騒ぎになった。
ネットには、
「意識が低いなぁ。自分の車だったら、許せないだろうに」
「あーあ、なにやってるんだw 社会人になってもこの様か」
といったカキコミがみられるほか、
写真を撮ったクルマの持ち主が、ふざけている整備士と一緒にいることや、実際に制止に入っている様子がうかがえることから、いたずらとの見方や、「これって、社内イジメ?」ではないのか、といった憶測も広がった。
とはいえ、
「問題なのはクルマを扱う職業の人がクルマを大切に扱わなかったことだ」
「同僚の所有車だったとしても、やっていいレベルのいたずらじゃ無いね。こんな所から車買いたくないって思う」
と、整備士への批判が相次いだ。
J‐CASTニュースが、ネッツトヨタ静浜・藤枝瀬戸マイカーセンターに確認したところ、写真の人物が「(当社の)整備士であることは間違いありません」と認めたうえで、「経緯などについては現在確認中なのでお話しできることがありません」と話した。
ただ、「お客様には不快な思いをさせるなど、大変ご迷惑をおかけいしました。申し訳ありません」と、謝罪の言葉を口にした。
クルマは「もともと廃車にする予定だった」
それにしても、整備士はアルバイトではない、正社員だ。ネッツトヨタ静浜のイメージダウンは避けられないかもしれない。今回の件について、ネッツトヨタ静浜に聞くと、クルマの持ち主を含む4人の整備士は同僚で、「ふだんから仲がよかった」という。
ただ、4人の大人がクルマの上に載れば、相応の傷はつくだろうし、凹んだりもする。ボンネットや天井の凹みに塗装などが加われば、一般に20万~50万円は下らないとされる。板金のやりにくい場所や工程、部品ごと交換しなければならなくなれば、修理代はさらにかさむ。被害額は安くない。
ところが、今回に限って言えば、修理代はかからない。ネッツトヨタ静浜は、「もともと持ち主がクルマを買い替えるため、廃車の予定で持ち込んだようです」と説明。それもあって、写真のような悪ふざけをしたようなのだ。本人たちにしてみれば、廃車にするから、傷つけようが凹まそうがよかったということらしい。
とはいえ、誤解を招きかねない行為でもあり、同社では社内規定に照らして、「何らかの処分を下す」としており、現在検討中としている。