酒、たばこ購入時の「タッチパネル年齢確認」 「合理性ない」とイオングループが廃止

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   流通業最大手のイオングループが、酒やたばこを買うときに20歳以上かどうかをたずねるタッチパネル方式の年齢確認を全廃することになった。コンビニエンスチェーンの「ミニストップ」も2014年3月中に無くす。

   タッチパネル方式の年齢確認は中高齢者に「バカにしている」などと評判が悪く、腹を立てた客が店内で乱暴を働くといった事件が起きていた。ネットでは歌手で俳優の梅沢富美男さん(63)がボタンを押せと言われ「オレが19に見えるわけねぇだろ!」と激怒したのが記憶に新しいとして「梅沢富美男の大勝利!」などと盛り上がっている。

「ミニストップ」は3月中に全店で店員が確認

   イオン広報によれば、未成年者の飲酒・喫煙防止の徹底に努めるために12年5月からコンビニ「ミニストップ」と総合スーパー「イオン」でタッチパネルを順次導入したが、明らかに20歳以上とわかるお客に対しても確認していたため、苦情もあったとしている。

「我々の行う接客はこれでいいのか、ということは常に社内で検討しておりますが、このタッチパネルに関してはお客様のご意見はもっともなことであり、合理性という点でも問題があるのではないか、ということになりました」

   今後はお客にタッチパネルを押させるのではなく、店員が20歳以上かどうかを確認し、販売していくのだという。「イオン」店舗では13年11月から順次タッチパネルでの年齢確認をやめていて、「ミニストップ」は14年3月中に全店で店員が確認する方式に変えるのだそうだ。

   このタッチパネル方式の年齢確認は中高年に評判が悪く、梅沢富美男さんは12年10月11日放送の東京MXの番組「ニッポン☆ダンディ」で、公演先のコンビニで酒やタバコを買ったところ、レジの若い女性店員に「年齢確認お願いします」と言われたことを明かした。

「オレが19に見えるわけねぇだろ!60過ぎているジジィを捉まえて、押せとはなんだコラ!!!」

と番組で激怒し、ネットで大きな話題になった。様々な事件も起きていて、13年1月には京都府で中学校の非常勤講師(当時63)が女性店員にたばこ販売の年齢確認ボタンを押すよう求められ「年は見れば分かるだろ」などと腹を立て、レジの液晶画面を素手で殴り破損させ現行犯逮捕された。同年2月には北九州市で自由業の男(当時61)が同じ理由で液晶画面を殴って壊し現行犯逮捕されたと報じられた。また、12年6月には当時18歳のとび職の少年が和歌山市のコンビニでたばこを買った際に女性店員に年齢確認され腹を立て、出入り口のドアガラスを足で蹴り割ったとして逮捕されている。

「イオンに追随するかはわからない」と小売の業界団体

   ちなみに、多くのコンビニがこの年齢確認のタッチパネルを導入しているが、「ファミリーマート」は導入せず、10年1月から店員が目で確認する形を現在も取っている。ファミマ広報によれば、未成年者に酒やたばこを販売しないように注意を払いながら、

「お客様に気持ち良く買い物をしていただくためタッチパネルによる年齢確認は行っておりません」

ということだった。

   今回のイオンの措置を歓迎する人の中には、

「梅沢富美男の問題提起は無駄ではなかったな」
「梅沢富美男、大勝利」

などと気勢を上げている人もいる。イオンがタッチパネルでの年齢確認をやめたことでこれに追随する企業は出てくるのだろうか。いくつかの小売業の団体に聞いてみたが、

「どうなるかはわからない」

ということだった。

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