経営コンサルタントで船井総合研究所の創業者である船井幸雄氏が亡くなった。J-CASTニュースの取材に対して船井総合研究所が「事実」と認めた。81歳だった。詳細は23日に公表するという。
仕事や人生について説く著書が多数あり経営者などのファンも多く、船井氏の訃報にツイッターやフェイスブックでは悲しむ声が多数あがっている。
舌が勝手に動く「ジスキネジア」
船井氏は1956年に京都大学農学部の農林経済学科を卒業し、日本マネジメント協会を経て、1970年日本マーケティングセンターを設立した。1985年に船井総合研究所に社名変更して、1988年には経営コンサルタント業界で初となる上場を果たした。2003年に役員を退任してからは、船井総合研究所、船井財産コンサルタンツ、本物研究所、船井メディアなどで最高顧問をつとめていた。
出版した著書の数は400冊を超え、企業経営者でもファンを公言する人が多い。講演会では、「百匹目の猿現象」を起こすことを提唱していた。「『いい世の中をつくりたい』という思いを共有する仲間が集まれば、社会や世界をもっと良い方向へ変えていくことができる」というビジョンで、そう考える人数が一定数を超えると「一気に世界中に広がるのではないか」と考えていたという。
死因はまだ明らかにされていないが、船井氏は生前に舌が勝手に動く「ジスキネジア」に悩まされ、ベッドに寝た切りになっていることをウェブサイトで公開していた。「よだれ」が止まらない、「声」が出ない、「嚥下(えんげ)ができない」「喰べにくい」と言い、2013年7月には「このようにして病人である私は、いつ死が来てもよいと思うようになりました」とまでつづっていた。ここ数か月は船井氏による更新が滞り、息子の勝仁氏が代わりに執筆することが多かった。
本物研究所が運営していた船井氏のオフィシャルフェイスブックには訃報を受けて、
「船井先生、長い間ご指導ありがとうございました。心からご冥福をお祈り致します。また、来世でお会いしましょう」
「先生のお言葉に、いつも感動し、励まされてきました。先生の訃報が信じられませんが…、心よりご冥福をお祈り申し上げます。」
などの追悼のコメントが寄せられている。
また、書道家の武田双雲さんはツイッターで「船井幸雄さんがお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします」と述べ、船井氏の言葉を引用したツイートを行った。