サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)の名門ACミランに移籍した本田圭佑選手のデビュー戦をテレビ各局は大々的に取り上げ、NHKの朝のニュースでも冒頭12分を使って報じた。
東京都知事選に立候補表明した田母神俊雄氏がNHKの報道に、「12分間もやることなのか」と苦言を呈した。ネットでは、「せいぜい5分くらいにしろ」「サッカーが嫌いなだけじゃん」など賛否両論の議論が盛り上がっている。
4000回以上リツイートされ波紋広がる
NHKは「おはよう日本」2014年1月13日の放送で、本田選手がサッスオロ戦で後半20分から途中出場してデビューした映像を放送した。注目度が高いためか、トップニュースの扱いだった。
日本のファンがスポーツバーで観戦する様子や、現地ファンやメディアによる本田選手に対する評価のほか、本人が小学校の卒業文集にセリエAで将来活躍するという夢を書いていたことなどを特集した。しかし、これに田母神氏はおかんむりのようだ。約19万のフォロワーを抱えるツイッターで、
「今朝のNHKのトップニュースはサッカー本田選手のイタリアのミランでの活躍の様子でした。始めから12分間がそのニュースです。サッカーも人気が有るのかもしれないが、トップニュースで12分間もやることなのか。これでは国民が馬鹿になります」
と書き込んだ。「国民が馬鹿になる」というくだりもあって波紋が広がっている。ツイッターでは4000回以上この発言がリツイートされた。
賛成派からは、「トップニュースでやってもいいけどせいぜい5分くらいにしろ」「サッカーが世界の中心じゃあないんだよ」などと、時間の長さに同意する意見が出た一方で、反対派からは
「スポーツを否定される方が2020年に五輪を開催する東京都の知事に?」
「W杯じゃ視聴率50%取る様な国民的スポーツだぞ喧嘩売るとかアホだろこいつ」
といった意見がたくさん出ている。
「私は柔軟性もあり、本当にいい人」
また田母神氏のツイートは、半年ほど前のツイッターでの発言と矛盾するのでは、という声もある。プロ野球の長嶋茂雄氏と松井秀喜氏が国民栄誉賞を受賞した際にも、テレビで大々的に報じられたが、
「長嶋、松井両選手の国民栄誉賞を称えるテレビ報道が繰り返し行われています。お二人とも国民に夢を与えた立派な選手でした」
「多くの子供たちが野球の選手を目指すでしょう。学校で我が国の近代史に影響を与えた偉人の話をもっと教えるべきです」
と、好意的に捉えていた。
ネットでは「野球が好きでサッカーが嫌いなだけじゃんw」「野球とサッカーで180°見解を変える二枚舌田母神さん」という指摘が相次いだ。念のため田母神氏の苦言についてNHKに問い合わせたが、「ニュース番組の個別の編集判断に関わることであり、コメントは控えさせていだだきます」ということだった。
NHKのサッカー報道に対して厳しい姿勢を見せる田母神氏だが、
「どうしようもないガチガチだと思っている人もいるようですが、実像は全く違います。私は柔軟性もあり、本当にいい人です。適度のユーモアのセンスも持ち合わせています」
と都知事選に向けて独特な自己アピールをツイッターで繰り広げている。