東京都知事選(2014年1月23日告示、2月9日投開票)は細川護熙元首相(75)が出馬の意向を固めたことで、舛添要一元厚労相(65)との一騎打ちになる公算が強まった。
左派・右派ともに、早くもネット上で場外乱闘が始まっているが、中でも菅元首相のブログでの発言が波紋を広げている。
「菅直人は絶対にだめだッ、成るものもならなくなる」
脱原発が持論の細川氏は週明けにも小泉純一郎首相と会談し、支援を取り付けた上で正式に出馬表明する見通しだ。両者が脱原発を旗印に街頭演説などを行えば、かなりの注目を集めることは間違いない。ただ、社民、共産が推す元日弁連会長の宇都宮健児氏(67)も脱原発を掲げており、互いに票を食い合う可能性もある。
ここで脱原発派の間で波紋を広げているのが、菅直人元首相のブログだ。14年1月9日の書き込みでは、自民党が脱原発派を支援することはあり得ないことから、
「自民党にとっては細川元総理の出馬が実現することは悪夢だろう」
と論評。その上で、脱原発派の候補を細川氏に一本化するように主張し、宇都宮氏の出馬辞退を求めた。
「宇都宮さんは良質な候補者だが、社共の支持だけでは当選は難しい。細川さんが立候補を決めれば原発ゼロを求める都民は、当選可能な細川さん応援に集中すべきだ。細川さんであれば、たとえ舛添さんが出馬しても、十分当選できる可能性があるからだ」
一見、脱原発を主張する候補者を一本化することは合理的に見えるが、発言の主が菅氏となると、事情は違ってくるようだ。
菅氏は13年7月の参院選で、民主党が候補者一本化のために公認を取り消し、無所属で出馬することになった大河原雅子氏を応援したが、落選している。民主党の公認候補だった鈴木寛氏も落選したことから、党内では「票を分散させて共倒れを招いた『戦犯』で万死に値する」との声も出ていた。菅氏は執行部から党員資格停止3か月の処分を受けた。
そのため、菅氏はすっかり疫病神扱いで、今回のブログの投稿についても、脱原発を主張するネット利用者からは、
「菅直人は絶対にだめだッ、成るものもならなくなる」
「全力で阻止しなければ」
とブーイングが続出している。