中華料理チェーン「餃子の王将」を運営する王将フードサービスの「スパルタ研修」が再び話題になっている。
同社の社員研修は、「軍隊」のように厳しいことで有名だ。研修期間中は禁酒・禁煙はもとより、携帯電話は取り上げられる。テレビや新聞も見られないなど世間から「隔離」され、あいさつや接客の基本動作から社是などを、からだに沁みつくよう、徹底的に叩き込まれるという。
「店長が育てば企業も育つ」で売り上げ伸ばす
「餃子の王将」では、店長を中心とした社員一人ひとりが、店のメニューの工夫やイベントの企画などに、存分に力を発揮し、かつ仲間とも協力して日々の仕事に取り組むことを求めている。
新入社員には、社会人としてあいさつや礼儀をきちんと身につけることも重要視している。いまどきの若者はふだんから、礼儀などをしつけられることが少なく、叱られたことのない人が多い。そのため、「通り一遍の無難な研修だけでは、学生気分から脱却させることはできない」としている。
新入社員は将来の店長候補でもあり、王将フードサービスでは「店長が育てば企業も育つ」との考え方をもっている。スパルタ研修を通じて、仲間に励まされながら自分の弱さに向き合い、最後に感動を分かち合う。仲間あっての自分であることを知り、「感謝を知ること」を教えたい。研修では社員の「覚醒」を促し、業績重視ではなく、人格形成・向上に重きを置いている、という。
そんな同社のスパルタ研修は、過去にテレビで取り上げられたことがあった。社員があいさつなどで絶叫し、涙を流す場面が多い。放映された番組を見て、当時は
「およそ先進国の光景じゃねぇな。w」
「やばい。これは正真正銘のブラック企業だわ」
「軍隊式が崇められているのは日本だけ」
といった批判的な声もあり、同社がホームページ上で釈明したこともあった。
今回は、2013年12月19日に大東隆行社長(72)が殺害された事件の犯人が「スパルタ研修でしごかれたことを恨んでいたのではないか」との憶測が働き、テレビのワイドショーなどがその研修ぶりを再び取り上げた。
一方、インターネットでは、店長研修などで講師を務めていた渡辺直人常務(58)が大東社長の後任に就いたこともあって、You Tubeなどでは公開されている研修の動画が再生回数を伸ばしている。