コンビニのオーナー兼店長を名乗る人物がネットに書いた、店を経営していて「不快に思った事」が議論をよんでいる。例として挙げられた中に「客がトイレだけの利用をしようとする」という内容があったからだ。
これに対してネットでは、「トイレぐらいいいだろ」「ガムの一個くらい買ってやれよw」など様々な意見で盛り上がっている。
「トイレだけの利用はご遠慮してもらってるんですが」
話題になっているのは2013年12月4日に、はてな匿名ダイヤリーに投稿された「コンビニ経営してるけど、客に対して文句言わせてくれ」という記事だ。筆者は脱サラ後に個人経営のコンビニを始めたオーナー兼店長を自称している。消費者側から経営側に立場が変わり、「店をやっていて不快に思った事」を複数挙げた。
弁当を1つだけ購入した客が「平気な顔で2、3本持っていく」ことは図々しいと言い、売り物の食料品を落としても弁償しようとしないことにも不快感をあらわにしている。そうした中で、特にネットで注目されている項目が、トイレの使用後に何も買わない客についてだ。
この筆者はトイレを借りてそのまま店から出て行く客を呼び止めて、「トイレだけの利用はご遠慮してもらってるんですが」と言い放った。客は「何か買えばいいわけ?」と「逆切れ」したが、目の前にあった100円の「ミンティア」を買って出て行ったという。
これに対してネットでは「普通は咎めたりしないだろ」「トイレぐらいいいだろw」とする書き込みが続出した。一方で「トイレ借りる時はコーヒー買ってるわ」「ガムの一個くらい買ってやれよw」などの意見も出て、コンビニでトイレを借りた後の振る舞いが議論になっている。
ローソンが1997年に「トイレ開放宣言」をしたのを皮切りに、セブンイレブンほか多くのコンビニでトイレが借りられるようになった。中には利用できない店舗も一部あるが、その多くは建物の構造上の理由や、防犯対策のためだとされている。
水道代などは店が負担
ただし開放したトイレの維持にかかる費用は店側の負担だ。水道代、光熱費、トイレットペーパーなどの費用に加え、掃除のために人件費も必要となる。トイレの利用自体は直接の売り上げにならないため、記事のオーナーはトイレを利用した対価を払わない客を嫌がっているというわけだ。
客を呼び止めて直接咎めるのは極端だが、さりげなくトイレ利用者に商品の購入を促す仕掛けをする店舗もある。ビジネスジャーナルの記事(9月8日掲載)で元コンビニバイヤーの渡辺広明氏が、トイレのドアによく貼られている「従業員に一声おかけください」の張り紙は、
「店員に顔を見せることで、利用後にガム・缶コーヒーなどのちょっとした商品を"申し訳ない買い"してもらうことを狙っている面もある」
と指摘している。
公共料金の支払いや宅配便の受け取りなど、コンビニが提供するサービスは増え、商品購入だけが目的でない来店の機会はますます増えている。トイレのバリアフリー化も推進するローソンは、
「お客様に24時間便利に使っていただけるインフラを目指していて、トイレはサービスのひとつとしてご利用いただいている」(ローソン広報担当者)
という見解だ。