タレントの山口もえさん(36)が、一時的に声が出なくなる「失声症」にかかったとテレビ番組で告白した。IT実業家の元夫に尽くし過ぎてストレスがたまったのだという。
もえさんは、IT実業家と2005年に結婚したときは、「セレブ婚」と話題になった。子供も2人生まれたが、11年に夫がキャバクラ無許可営業の疑いで逮捕されると、しばらくして離婚している。
料理などが負担になったと言うが…
そんな結婚生活の中で、もえさんは、失声症に一時かかって、仕事を1週間キャンセルしていたというのだ。
告白したのは、2013年11月18日夜放送の日テレ系バラエティ番組「有吉ゼミ」でだ。「結婚向いてないバツあり芸能人」の特集で、もえさんは、「夫に尽くして重荷になる女」として紹介された。
もえさんは、家庭ではとにかく良き妻であろうとし、夕食には常におかず5品を出していたと明かした。カレーのときさえ5品を用意し、ナンまで手作りしていたそうだ。また、多忙な夫が深夜に帰るときも寝ないで起きるようにし、飛行機到着の時間も分からないのに空港で出張帰りの夫を待ち続けたという。
ところが、自宅でホームパーティ用の豪華な料理を徹夜で準備すると、パーティ翌朝には声が出なくなってしまったのに気づいた。病院に駆け込むと、医師からは「ストレスからくる失声症」と診断された。番組では、もえさんが家事によるストレスで疲れ切り、夫も尽くされ過ぎたのがストレスになって離婚したと締めくくっていた。
失声症は、脳の障害などから患う失語症とは違い、心因性だとされている。しかし、家事によるストレスで失声症になるものなのだろうか。
この病気に詳しい駒沢メンタルクリニックの李一奉院長は、こう解説する。
元夫の事業失敗などがストレスに?
「家事や育児の負担は、みなが経験するものですので、そのようなことから発症するケースは少ないのではないかと思います。ストレスがいっぱいたまって声に出る症状なんですが、その人が得意でないことによるストレスが原因であることが多いと思います」
もえさんは、野菜ソムリエの資格を持ち、料理本まで出しており、得意の料理がそのままストレスになるとは考えにくい。IT実業家の元夫は、次々に事業を立ち上げては行き詰り、事業に夢中になってあまり帰って来なくなったとも報じられており、そうしたストレスによる発症の可能性はないのか。
駒沢メンタルクリニックの李一奉院長は、その可能性はあるとし、妻があずかり知らぬところでの事態にストレスをため込むことも考えられるとした。
失声症だとされたケースには、皇后陛下の美智子さまが1993年に突然声が出なくなったと報じられたことがある。病名や原因は明かされなかったが、当時は、週刊誌の皇室バッシングのためではないかと憶測を呼んだ。
厚労省の統計をここ数年見ると、失語症の患者は、調査した日に1000人ほど見られたが、失声症の患者はゼロだった。それだけ、よほどのストレスがないとかからない、珍しい病気だと言えそうだ。