アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」劇場版の一部客に対して、映画館のツイッターアカウントが苦言を呈した。チケットと引き換えに限定特典を手に入れ、映画を鑑賞せずにそのまま出て行ってしまうからだ。
これに「客が金出してるから問題ない」「客を小馬鹿にした発言」などと一部ファンからクレームが殺到し、アカウントは停止に追い込まれてしまった。
レア特典は数万円で取引
「魔法少女まどか☆マギカ」は2011年にTBS系で放送された深夜アニメで、平凡な中学生の主人公が自分の夢を叶えた代償に魔法少女に変身して「魔女」と戦うストーリーだ。2013年10月26日から劇場版「新編」が上映され、公開13日間で深夜枠アニメーションの劇場版として史上最速で興収10億円を突破した。第86回アカデミー賞長編アニメーション部門にも出品されている。
上映が続くなか、大分市の映画館「T・ジョイ パークプレイス大分」が11月15日、ツイッターで一部ファンに苦言を呈した。
「『まどか☆マギカ』をご覧になるお客様、劇場を利用して頂き、有難うございます。1つだけ言わせてください。特典が欲しいのは分かります。が、チケットを購入して入プレ貰ってそのまま出口から出て次の回を待つのは映画的に本末転倒ですし、一個人のファンとして不快です。映画を楽しんでください!」
来場者特典として、登場キャラのミニ色紙やポストカード、映画フィルムを切り取った1コマが週替わりで配られる。中身はランダムで配布され、レアものはネットオークションで、数万円で取引される。映画を鑑賞せずに出入口で特典だけもらって出てってしまう人もいるため、映画館の公式アカウントが怒ったというわけだ。
これに対して一部フォロワーから、
「客が金出してるんだから特典目当てでも問題ないかと」
「客を小馬鹿にした発言」
「一個人の意見は一個人のアカウントで呟いて下さい 会社の看板背負って私的な発言は辞めてください」
などの批判が相次ぎ、映画館に電話で問い合わせる人も現れた。
公式アカウントは、
「入場者特典を配って、貰って、それで終わり、という映画館は悲しいじゃないですか」「特典の価値ではなく、映画館そのものや、映画を観ていただいて、お金を払う価値を納得して頂きたいのです」
と発言の意図を説明したが、炎上は収まらなかった。
「いや正論だろ。それで謝罪しなければならない世の中って…」
11月16日、「T・ジョイ パークプレイス大分」のサイトに「一連のツイッターにおける不適切発言により、多くの皆様にご不快な思いをさせてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます」という謝罪文が掲載された。
「当該従業員に対しては、発言の経緯、事実の確認を行った上で、厳重な指導を行うとともに、今後、二度と一個人の考えが公式アカウントを通じて発信されるということがなきよう、管理体制を改め、再発防止に努めてまいります」
管理体制が整うまでツイッターアカウントを停止するという。
ただ、映画館の発言は「正論」だとして同情的な意見も多く、「個人的にはつぶやいた人の意見を支持するかなぁ」「いや正論だろ。それで謝罪しなければならない世の中って…」「何でもかんでもクレーム入れるってどうなの?」という声があがっている。
また、「実際いるんだわこういう人。チケット切ってもらいグッズ貰って3歩程進みUターン場外へ。 映画が可哀想。個人の自由だが。。謝罪と削除はやり過ぎ」などと、映画館側の対応は過剰反応だというツイートも多い。