業績回復も「賃金」よりも「配当」先行? 「人件費はコスト」

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   自動車・部品、鉄鋼、証券… 上場企業の2013年4~9月期の決算発表が折り返しを迎えるなか、アベノミクスによる「円安株高」の効果で、どの企業も業績回復が鮮明だ。

   そうなると、いよいよ賃金アップへの期待が高まるが、その前に株主還元を優先、増配に踏み切る企業が相次いでいる。

増収増益、全体の6割に 4~9月期決算

   上場企業の2013年4~9月期決算は増収率が11%、増収増益となった企業が全体の6割にのぼり、ともに3年ぶりの高水準となった。11月1日までに決算発表を終えた589社(金融などを除く)を、日本経済新聞がまとめた。売上高と経常損益の両方が増加、改善した企業は351社だった。

   業種別の増収率をみると、鉄鋼(20%)や自動車・部品(13%)、通信(37%)などが高く、これから発表する企業をあわせても大幅な増益は確実という。

   円安で輸出企業の業績が好転。また、好調な内需を取り込んだ企業が久々に増収に転じ、ようやくデフレ脱却に向けた明るさが企業収益にも表れてきた。

   好決算を受けて、増配を発表する企業が相次いでいる。スズキはこれまでは据え置いていた年間配当を2円増やし20円にする。富士重工業も増配を発表。年間配当を従来見通しの倍の40円(前期は15円)に増やす。

   太陽電池向けのセラミック部品やスマートフォン向け電池関連製品の販売が好調な京セラは、年間配当を120円とする。10月に実施した株式分割の影響を除くと40円の増配となり、山口悟郎社長は決算会見で、「配当性向を3割まで引き上げ、株主還元に取り組む」と話した。

   さらに、総合住宅建材のLIXILグループや松井証券なども続々と増配に踏み切っていて、野村証券の予想では、2013年の全上場企業の配当額は12年度の7兆1000億円を上回る、7兆7000億円にのぼるとみている。

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