ノーベル文学賞の有力候補と目されてきた小説家・翻訳家の村上春樹氏(64)が、今年の受賞を逃した。2013年10月10日(日本時間)、スウェーデンのノーベル財団が発表したところによると、今年のノーベル文学賞はカナダの小説家、アリス・マンロー氏(82)に贈られる。
2009年に国際ブッカー賞を受賞
マンロー氏は1931年、オンタリオ州のウィンガムに生まれた。結婚後に図書勤務や書店経営をしながら執筆活動を開始し、1968年、初の短編集「Dance of the Happy Shades」でカナダの総督文学賞を受賞した。2005年には「タイム」誌の「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれ、2009年には国際ブッカー賞を受賞した。邦訳作品は『木星の月』(中央公論社)、『イラクサ』(新潮社)、『林檎の木の下で』(新潮社)。
惜しくも落選したかたちの村上氏は、いま最も世界で注目される日本人作家として、ここのところノーベル文学賞の有力候補の「常連」となっていた。今年は特に前評判が高く、英国などの複数の大手ブックメーカー(賭け屋)による予想で1番人気となっていた。