減らない鉄道自殺 遺族への損害賠償は「抑止力」になっているのか?

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「相続放棄」で事実上の支払い拒否?

   そうしたなか、JR東日本やJR九州は2010年に、人身事故に伴う損害賠償請求を行っていく考えを明らかにしている。当時は景気悪化で自殺者が年間3万人を超えていた。損害賠償請求の方針を打ち出すことで、自殺の抑止効果も狙った。

   ただ、その効果については不明。JR東日本とJR九州は、「個別の状況や詳細についてはお話しできません」という。

   とはいえ、鉄道会社は損害賠償請求をしっかり行っている。ある鉄道関係者は、「遺族の気持ちや生活状況を酌んだとしても、企業である以上は請求しないことのリスクもある」と説明する。

   弁護士ドットコムによると、自殺の場合、鉄道会社は自殺した本人に対して損害賠償を請求。ただ、本人が死亡した場合は「自殺者本人の相続人として、遺族が返済義務者」となる。この場合、相続を放棄すれば、支払い義務がなくなる、としている。もっとも、賠償請求額よりも相続額が多い場合は、かえって損することになる。

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