大々的に報じる一方で、「なぜこんなに大きく取り上げるのか」 フジ「とくダネ!」に「自己矛盾だ」と痛烈批判

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   窃盗容疑で逮捕された、タレントのみのもんたさんの次男で日本テレビ社員の御法川(みのりかわ)雄斗容疑者(31)が、2013年10月3日に処分保留のまま釈放された。

   翌朝の「とくダネ!」(フジテレビ系)は逮捕から釈放までの一連の流れを詳細に報じたが、司会の小倉智昭さんは「なぜこんなに大きく取り上げられるのか」とメディア批判してみせた。視聴者からは「お前が言うな!」との声が多数上がっている。

取材班が自宅前で待ち構える気合の入れよう

   10月4日の「とくダネ!」は、8時47分頃から御法川容疑者の釈放についての特集を、釈放時のVTRも交えて放送した。

   警視庁愛宕警察署(東京・港区)の玄関前に張っていた取材班は、自動ドアの内側にいる御法川容疑者の姿をとらえた。容疑者が誰なのかわかりやすいよう、赤丸で囲むという視聴者への配慮もなされていた。

   御法川容疑者は警察署を出て車に乗り込み、自宅へと向かった。取材班は容疑者の自宅前にも待ち構え、到着した車に向かって「容疑を否認していたのに認めたのはなぜですか!?」「お父さんにお話はされたんでしょうか!?」「出来心というのは一体どんな出来心だったんでしょうか!?」と矢継ぎ早に質問を飛ばしていた。この間、車内の御法川容疑者の姿はかなり鮮明に映し出されていた。

   VTRが流れた後、スタジオに映像が切り替わったが、小倉さんは渋い表情だ。「(処分保留で釈放される)そのぐらいの犯罪に対して、ここまで大きく顔も撮らせるっていうのは…みのさんがおっしゃってたじゃないですか、私の子だから(事が)大きくなったのかなって。そっちの方も僕は気がかりなんですけどね」と、「なぜこんなに大きく取り上げるのか」との疑問を呈した。

   コメンテーターの深澤真紀さんも、「ある種ニュースバリューのある方ではあると思うんですが、何か他に理由があるのかと思ってしまうくらい異常な扱い方」と小倉さんに同調した。

「とくダネ」約15分に対し「モニバド」は1分

   警察側の責任を問うような意見も飛び出した。笠井信輔アナウンサーが「凶悪犯罪の場合こういった映像は流すけど、その場合顔を隠してることが多いので、こういう形ではっきり顔を撮るような取材ってなかなかできないんですよね。ということは警察サイドの何らかの判断があったと思われるんですが、有名人の子供だからこういう風にしてやれと判断するものなのかという疑問が生まれる」と言うと、ショーンKさんも「絶対人権に関わる。起訴・不起訴も決まってない段階でこれだけメディアに露出させるっていう、警察側に何らかの説明が必要な気がするくらいの鮮明な映像ですね」と述べた。

   小倉さんは「日本テレビの判断も、罪そのものよりメディアでこれだけ大きく取り上げたってことが影響するのでは」と不安視し、「プライバシー侵害って問題にもなっちゃいましたね」とも話した。

   スタジオでこうした議論がされている間も、釈放時の御法川さんの映像が繰り返し流されていた。9時1分頃、約15分にわたる特集は終了した。

   これだけ総力を挙げて報じながら、スタジオでは「大々的に取り上げるのはやめろ!」と話し合っている。この矛盾に、ネット上では「なんで自分で報道して報道してることを怒ってるのwww」「報道陣のモラルを問うならフジは行かなきゃ良かったんじゃないの?自宅前まで行ってて何言わせてるの?それとも我々はこいつらとは違うの?」「じゃあ何でお前らは顔出し実名公開で繰り返し放送してんだよ。メディアのことも批判してるけどおまえらもその中にいるんだけど自己批判にもなってない」などと書き込まれた。

   ちなみに他局で同時間帯に放送されている朝の情報番組を見てみると、御法川さんが勤務する日本テレビの「スッキリ!」は放送なし、みのさんが司会を務めていたTBS系「朝ズバッ!」は特集を組まず、ストレートニュースとして簡潔に放送。テレビ朝日系の「モーニングバード!」では約1分にまとめて報じていた。最も大きく取り上げていたのは「とくダネ!」だった。

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