菅義偉官房長官が2013年10月4日午後の定例会見で、記者から唐突に「最近、ほほえましいと思ったこと」を聞かれ、苦笑いしながら答えに窮する一幕があった。思い出したように絞り出した答えが、10月2日に行ったばかりの記者室のレイアウト変更だった。
一度は答えに窮して答弁打ち切ろうとした
質問は、毎年10月の第1金曜日が「世界スマイルデー」にあたることにちなんだもの。1999年に制定され、2013年10月4日で15回目だ。菅長官は面食らった様子で
「あの-、今、そうした余裕がないのかな、と実は思いますけども、…なんだ。まぁ、あの…、一番厳しい質問ですね。そんなことで…」
と、一度は答弁を打ち切ろうとしたが、思い出したように
「あの、あれじゃないですか。目線の位置が下がったことが…。あれだけ報道されるとは思ってませんでした」
と会見室のレイアウト変更を挙げた。「目線の低さ」を新聞の投書欄で指摘され、記者席の最前列を取り払って演台とのスペースを広げ、目線が上がるように工夫したというものだ。レイアウト変更は一定の効果が上がったとみているようだが、質問に面食らったのか、本来は目線が「上がった」と言うべきところを「下がった」と言い間違えたようだ。
また、
「朝起きてから夜まで、官房長官としての仕事を全力で取り組んでいこうという思いで取り組んでいる」
と、激務で「ほほえましいこと」と遠ざかったために答えに窮した様子。
「少しはこれから余裕を持ってやっていかないといけないと思う」
とも話していた。