2ちゃんねるの個人情報が流出し、ライトノベル「神様のメモ帳」などで知られる小説家の杉井光さんが、匿名で同業者を誹謗中傷していたことが発覚した問題で、「他の作家と共謀して行っていたのでは」という新たな疑惑が持ち上がりネットで騒ぎになっている。
誹謗中傷を受けた作家のツイートで注目
2ちゃんねる個人情報流出問題では、有料サービス「2ちゃんねるビューア(通称●)」を利用していたユーザーの個人情報が流出したほか、書き込み履歴と関連付けられる情報が公開された。これにより匿名で書き込んでいたはずの過去の投稿が、本名と結び付けられてしまった。
杉井さんは同業の橋本紡さんに関して「精神病だってわかってないやつがまだいたことの方が驚きだわ 2chじゃ池沼とか病気とかの言葉が軽く扱われてるから本物に対する意識が低くなっちゃうのかな」などと書き込んだとされている。
2013年8月27日、杉井さんは自身の公式サイトで、
「僕は2ch上において暴言や誹謗中傷を多数行っておりました。お詫びのしようもありませんが、中傷を行った作家先生方、荒れを招くこととなったスレの住人の方々、出版社などご迷惑をおかけした関係各位、ならびに読者の皆様に深く陳謝申し上げます」
と謝罪した。
これで小説家による誹謗中傷問題は終結したかに思われた。だが、杉井さんは他の作家とグルになって誹謗中傷をしていた可能性がある、とネットで囁かれるようになった。今回の騒動で誹謗中傷被害が発覚した橋本さんが、過去にツイッターで発言した内容が再度注目されはじめたからだ。
そのツイートは、2011年2月の「何人かが『橋本紡をdisろうぜ』ってなったらしい。ある人は2chにスレッドというんだよね、それを立てる役目になって。ある人はその煽り役、ある人はまとめ役。そう決めたんだって。みんな、プロの作家だよ」 というもの。
この発言がされた当時、作家が2ちゃんねるで誹謗中傷をしたという証拠が示されなかったため、ネットでは橋本さんの単なる思い込みや、妄想と見る向きも強かった。ところが、今回の流出騒動で実際に同業作家が橋本さんを貶める書き込みをしていたと判明。当事の発言の信憑性が高まったことで、杉井さんと交流のある作家にも、疑いの目が向けられるようになった。事実ここ数年、2ちゃんねるには橋本さんを貶めるスレッドが頻繁に立ち、人格攻撃する多数の書き込みがあった。それを書いた一人として疑惑が出たのが、アニメ化もされた人気ライトノベル「狼と香辛料」の作者・支倉凍砂さんだ。