「右翼映画」批判乗り越え、韓国公開が正式決定 「風立ちぬ」宣伝はゼロ戦抜きで「切ない恋愛映画」

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   韓国で「右翼映画」との非難に見舞われ、公開中止説まで出ていた宮崎駿監督「風立ちぬ」だが、韓国の配給会社は2013年8月22日、9月5日から劇場公開を行うと改めて発表した。

   日本では公開以来5週連続で人気No.1、興行収入も72億に達するなど好調が続く「風立ちぬ」だが、一方で零戦設計者・堀越二郎を取り上げたことで韓国側から「日本軍国主義を賛美するもの」との声が上がっていた。

零戦など「日本軍」思わせる広告はなし

「風立ちぬ」公開を伝える韓国メディア。戦争に関する話題は避けられ、「感動のラブストーリー」と宣伝されている
「風立ちぬ」公開を伝える韓国メディア。戦争に関する話題は避けられ、「感動のラブストーリー」と宣伝されている

   これを受けて宮崎監督は自ら韓国メディアを対象に会見を開いたものの批判はなかなか止まず、特に一部ネットユーザーは9月に予定されていた韓国公開を「阻止」しようと呼びかける動きを見せていた。こうした騒動からか、詳細な公開日程などはなかなか公表されず、上映を危ぶむ声も出ていた。

   しかし22日までに、韓国版のポスターやウェブサイトなどがそれぞれ発表され、ようやく正式に韓国公開が確定した。封切りまでわずか2週間、なんとか滑り込みで間に合った格好だ。

   一方でこの公式サイトを見ると、配給側が国内の批判に細心の注意を払っていることがうかがえる。たとえばストーリー解説や予告動画はいずれも、「零戦」はもちろん戦争の影を感じさせる文言や映像が徹底的に避けられ、主人公とヒロインの切ない恋愛にスポットを当てている。映画メディアによる紹介文も、

「ファンタジーの巨匠・宮崎駿監督が贈る恋愛映画」
「最強の制作陣が完璧なチームワークで完成させた感動のラブストーリー」

といった調子だ。キャッチフレーズも、日本での「生きねば。」に代わり、

「愛しています。風があなたを運んできたときから……」

というロマンチックなセリフに変えられた。

上映確定に一部ネットユーザー「悔しい」

   それでも一部ネットユーザーからは、依然として厳しい声がくすぶる。韓国「マネートゥデー」は、「軍国主義的映画」という誤解はさすがに解けつつあるとしつつも、

「戦争の惨禍を描いた芸術映画というが、肝心の戦争の原因は決して語ろうとしない」
「同じスタジオジブリの『火垂るの墓』といいこの映画といい、日本が被害者ぶるのがあまりに悔しい」
「宮崎監督の慰安婦発言やリベラルな活動も免罪符にはならない」

などといった反響が上がっていると紹介している。

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