民主党の細野豪志・前幹事長がフェイスブック(FB)で安倍晋三首相に対し、首相が細野氏との論争にまつわる過去の発言をこっそり削除している、と指摘した。
消したということは、発言が不適切だったということだ――と細野氏は鼻息を荒くするが、どうやらこの話、単なる勘違いらしい。
田中均・元外務審議官めぐる論争を消した?
「先ほどある方からの指摘を受けて確認したところ、6月に安倍総理と私の間で、最高権力者のあり方を巡って行われた論争で、総理のFBの投稿が見られなくなっています」
2013年8月20日、細野氏はFBで得意満面にこう発言した。
細野氏が言う「論争」とは安倍首相が6月12日にFBで、毎日新聞紙上で安倍外交を批判した田中均・元外務審議官に対して「彼に外交を語る資格はありません」と断じた端を発するものだ。当時民主党幹事長だった細野氏はFBを通じ「最高権力者が持つ強大な権力を考えたときに、あのような発信は自制すべき」と論争を挑み、首相も「『民主党は息を吐く様に嘘をつく』との批評が聞こえて来そうです」とやり返すなど大いに話題を呼んだ。
その論争にまつわる投稿を、安倍首相が消しているというのだ。「おそらく、不適切な投稿と判断され対応されたのでしょう。歓迎したいと思います」と細野氏は胸を張る。
首相のFBページを見てみよう。トップページからスクロールしていくと――確かに、6月にあるはずの安倍首相の発言、また細野氏への反論が見当たらない。まさか本当に、安倍首相は発言を撤回したのだろうか。