サムスン・ギャラクシー「爆発報告」相次ぐ 粗悪なニセモノ電池が紛れ込んだか?

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   韓国サムスン電子のスマートフォン(スマホ)「ギャラクシー」が発火、時には爆発して火災を引き起こしたという事例が海外で報告されている。

   被害を受けたというユーザーはインターネット上に、焼け焦げた電話機やけがの箇所の写真を「証拠」として掲載した。ポケットに入れていた、ソファーの上に置いていた、というだけで火が出たという事例が国内外で頻発するようなら、心配だ。

NTTドコモ「ギャラクシーによる発火の事例報告はありません」

なぜ「ギャラクシー」で爆発事故が
なぜ「ギャラクシー」で爆発事故が

   香港の男性が「ギャラクシーS4」を充電中に爆発――。中国国営の新華社(日本語版)は2013年7月29日にこう報じた。台湾の英字オンラインメディアが詳報しており、自宅のソファーの上にギャラクシーを置いたままテレビを見ていたら、妙なにおいと異音に気付き、スマホから煙が上がっているのを発見したという。慌てて充電器を壁のコンセントから抜いたところ、端末が爆発してソファーとカーテンに火が燃え移り、男性は腕をけがしたうえ火の勢いが収まらず、部屋の内部はほとんど焼けてしまったそうだ。

   男性は、スマホに使われている電池と充電器はいずれもメーカーの純正品だったと主張している。一方サムスン電子本社は、この男性からの苦情が届いていないとしてコメントしていなかった。

   香港では7月中に、ほかにも2件のギャラクシーの端末による事故が起きているという。ただしこちらは、電池が非正規製品だったと報じられた。

   これだけにとどまらない。スイスでは18歳の女性が「ギャラクシーS3」をポケットに入れていたところいきなり爆発、足にやけどを負ったと複数の海外メディアが伝えた。7月10日付の米ハフィントンポストには、裏側が焼け焦げたギャラクシーS3の本体に加えて、被害を受けたという女性の、負傷した右ももの痛々しい様子を写した画像が公開されていた。

   ギャラクシーシリーズの端末は過去にも米国、アイルランド、韓国で爆発したり、火が出たりしているようだ。必ずしも充電中に起きた事故とは限らない。日本国内でギャラクシーを取り扱うNTTドコモ広報は取材に対して、「これまで端末を起因とする発火の事例報告はありません」と話した。KDDIにも問い合わせたが、締め切り時刻までに回答がなかった。

   国民生活センターに取材すると、スマホ充電中に発火して持ち主がやけどしたという報告が2013年3月に、またスマホを手に取った際に破裂したもののけが人は出なかったケースが1月にあったと説明したが、いずれもメーカーや機種名は明かさなかった。海外のように大火事を引き起こすには至っていない。

過充電の防止機能を外した非正規の電池

   青森公立大学経営経済学部准教授の木暮祐一氏はJ-CASTニュースの取材に、「正規品の電池を使っているスマホで爆発するなど、まず考えられません」と首をかしげる。だが逆に非正規の電池で過充電した場合には、予期できない事態につながる恐れがあるというわけだ。

   スマホに搭載されているリチウムイオン電池そのものが、取り扱いに気をつけなければならない。過去に国内でも携帯電話やノートパソコンの電池が破裂、発火という事例が報告されている。電池工業会のウェブサイトには「指定以外の充電器、ACアダプターで充電すると、充電条件が異なるため、発熱等の原因になります」などと使用に関する注意事項が20項目も並んでいる。

   香港の事故では、被害者が「自分は純正品を使っていた」とかたくなに主張していたそうだ。だが木暮氏は「本人が気付かないうちに、実は非正規の電池をつかまされていた可能性もあります」と指摘する。日本国内では、電池は携帯電話会社の直営店で交換してもらうのが一般的。これに対して海外では、スマホのパーツを扱うアクセサリーショップで電池を購入する場合が多いという。国によっては、見た目には正規品そのもののリチウムイオン電池だが、実は粗悪な品質ということもあるそうだ。

   単に安物、というだけでは済まない。木暮氏によると最近のスマホ用電池は、過充電を防止するためのICチップが内蔵されているという。「ニセモノ」は製造コストを抑えるために、こうした防止機能を外してしまうのだそうだ。

   もともとリチウムイオン電池は、圧力に弱い。加えて「安全装置」が取り除かれた非正規品だったら、たまたま強くぶつけたり、充電し過ぎたりすれば想定外の事象が起きることも十分考えられよう。

   ギャラクシーの端末で続けざまに発火事故が起きたのは偶然なのか。いずれにしろ電池については、価格の安さにつられて安易に非正規品に手を出すのは避けた方が無難だ。

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