2013年7月21日に投開票のおこなわれた第23回参議院議員選挙で当選を果たした山本太郎氏の選挙運動が「公職選挙法(公選法)に触れる」との疑いが持ち上がっている。
ネット選挙解禁の波に乗り、ネット活用が勝因と各紙で分析されている山本氏だが、型破りの選挙運動には問題もあったようだ。
「事実であればアウトの可能性が高い」
「22:30なのに、駅前で山本太郎のスタッフが大声でビラ配ってんだがいいのか…?」--2013年7月20日夜20時以降、各候補が「最後のお願い」に奔走する中、ツイッターにはこんな書き込みが複数出た。公選法では「選挙運動用ビラ」は選管の証書をつけた上で、新聞折込その他選挙事務所・演説会・街頭演説の場でしか配れないことになっている。同じく街頭演説は20時までしかできないと定められている。つまり、都選管によれば一般論として、20時以降に街頭でビラをまくのは「事実であればアウトの可能性が高い」という。
ツイッターなどに寄せられた情報をまとめると、山本氏の運動員らは渋谷・新宿・信濃町などで、選管の証書付きの「選挙用ビラ」を配りまくっていたようだ。
「土曜(20日)の23時ごろ、渋谷ハチ公前広場周辺に山本太郎ののぼりが立っていて、ビラをくばる人がたくさんいた」――J-CASTにこう証言する男性が受け取ったという山本氏のビラには、確かに「平成25年執行 参議院(東京都選出)議員選挙ビラ 第18号 東京都選管」との証書がついていた。
これ以前にも、山本氏の選挙運動については公選法に触れているとの指摘が複数あった。7月19日には選挙運動用のメールを送る際、受信者から承諾を得たかを確認していなかったため、公職選挙法に抵触する恐れがあるとの指摘を受け公式サイトに「おわび」を掲載した。その上、メール送信の過程では、システム上の不備で一部のメールアドレスが流出してしまったという。
さらにさかのぼる7月8日には「切手なしのハガキが5枚がポスティングされていた」との報告が画像つきで出た。公選法142条はハガキについて「政令で定めるところにより、日本郵便株式会社において選挙用である旨の表示をしたものでなければならない」としている。要は「一般論として、郵便局を経て選挙用ハガキとの表示がなければハガキを配ることはできない。ビラだとしても先述の理由でポスティングはできない」(都選管)。この画像が事実であればストライクアウトということだ。