参院選比例区で日本維新の会から出馬していたアントニオ猪木氏の当選が確実となった。各紙が報じた。
スポーツ平和党から出馬し、1989年の参院選で当選し1期を務めて以来の国政復帰となった。選挙後には「元気があれば、選挙も勝てるー!これから、闘魂外交に燃えます!1、2、3、ダァ!」とツイートを書いた。
「政策は打ち合わせをしたことがないんです」
猪木氏は1960年に日本プロレスでプロレスラーとしてデビュー。72年に新日本プロレスを立ち上げ、日本を代表するプロレスラーとなった。98年の現役引退後は格闘技イベントをプロデュースするなどしていた。
2013年6月5日、石原慎太郎代表から誘われたと比例区での出馬を発表した。
しかし当初から突然の出馬は、猪木氏の人気をアテにしたものではないかと批判された。「2030年代までにフェードアウトさせる」とする党の原発政策に対して、「原発を10年後にやめよう」と発言するなど、党の方針を理解しているのか疑問視された。
7月21日、開票直後に放送されたテレビ東京の「池上彰の選挙ライブ」では、司会の池上彰さんのインタビューに対し、「政策は打ち合わせをしたことがないんです」と明らかにした。過去に「消費税に延髄斬り」と消費税反対を訴えていたが、維新の会が消費税の制度を認めていることとの矛盾を質問されて、そう答えた。
また党の選挙公約を読んだかを問われ、「読みました」と答えたが、党の公約について「だいたい容認できる」とあいまいな返答に終始した。
池上さんから「すいぶんアバウトですね」と言われたが、「みなさんに耳をかたむけてもらう、足をとめてもらうのが役割」と語った。
池上さんは「維新の会におけるアントニオ猪木さんの立ち位置が大変よく分かるやり取りだったと思います」と締めくくった。