言論封殺ではなく、安全確保などのため?
この女性は、ジャーナリストの岩上安身さんのインタビューに対し、プラカードを持ち込んだ理由について明かしている。インタビュー動画を見ると、自民党福島県連が2012年の衆院選で県内にある原発10基すべてを廃止する公約をしているのに、安倍首相らが再稼働に前向きな姿勢を見せているのは納得できなかったと説明していた。
自民党福島県連の事務局次長は、取材に対し、女性のプラカードを一時没収したことについて、こう説明した。
「現場にいたわけではないので、詳しい理由については分からないです。ただ、安全は確保されなければいけませんし、静かに聞きたいという人もたくさんいますので、話を聞く妨げになるという心配もあったでしょう。また、通行の支障にならないようにということもあったかもしれません。プラカードは一時お預かりしただけで、取り上げたり押さえ込んだりといった問題になるようなことはなかったととらえています」
また、自民党が原発再稼働に前向きとされることについては、こう釈明する。
「自民党は、日本全体のエネルギー政策を考え、安全がクリアされれば再稼働するというスタンスです。しかし、県内では原発すべてを廃炉するという公約は今でも変わりませんから、そのことと矛盾しないと考えています」
なお、プラカードの女性は、母親として放射能汚染から子どもたちを守る運動を県内でしており、脱原発を呼びかける首相官邸前の集会にも参加している。また、フェイスブックの写真には、原発反対を訴える別のプラカードが映っており、アップした動画も事前にビデオカメラを持ち込んで撮影していたようだ。ただ、動画を見ると、原発反対に来たのではなくて、安倍首相がどう考えているか知りたかっただけだと主張している。