「琉球で独立したほうがいいという気持ちに」 維新の会・松井幹事長の「沖縄の声代弁」発言

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   日本維新の会の松井一郎幹事長(49)が、「日本国民から『負担は沖縄だけがすればいい』と疎外されれば、沖縄の皆さんも、『琉球』で独立したほうがいい、まだ中国のほうが沖縄のことを思ってくれているという気持ちに」などと発言したことが、波紋を呼んでいる。

   「琉球」独立をめぐっては、中国共産党機関紙の人民日報が2013年5月8日付紙面で沖縄の日本帰属を疑問視する論文を掲載。これに対し日本政府が中国側に抗議したばかり。インターネット上では「売国奴」よばわりする書き込みもみられる。

「全国で負担軽減を検討」は二枚舌

   日本維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)は2013年6月27日、沖縄県に配備されている米軍のMV22オスプレイの一部訓練を八尾空港(大阪府八尾市)で受け入れるとする提案について、29日の関西広域連合委員会で、域内での受け入れを検討するよう構成メンバーの首長に提案する意向を示した。

   発言はそれに関連して、大阪府庁で記者団の質問に答えたもの。沖縄県の米軍基地の負担軽減が進まないことに、沖縄県民の思いを代弁しているようにも受けとめることができる。

   もともと維新の会は、沖縄の米軍基地の負担軽減を強く主張している。松井発言の趣旨は、沖縄県にある米軍基地の負担を他の都道府県で分担して軽減しようという呼びかけにある。

   「オスプレイの一部訓練の八尾空港受け入れ」という維新提案に、「それが直ちに沖縄の負担軽減につながらないと思う。関西広域連合で提案されても同意するつもりはない」としている和歌山県の仁坂吉伸知事を名指しで批判したことからもわかる。

   松井氏は、「仁坂知事は沖縄の負担軽減はしないと言っているのと同じ。全国知事会で『全国で負担軽減を検討しよう』と文書でまとめているのは何なのか。二枚舌はやめるべきだ」と声を荒げた。

   「これで日本の安全保障が守れるのか」と、懸念しているという。

「独立」は沖縄県民の総意ではない

   とはいえ、「沖縄の皆さんも『琉球で独立した方がいい。まだ中国の方が沖縄のことを思ってくれている』という気持ちになる」とは、穏やかでない。

   松井幹事長は「あまりに沖縄が疎外されれば、(沖縄は)そういう思いになってくるということ」と自身の主張を繰り返したが、中国国内では米国から日本への沖縄返還を「国際法違反」とする声や、「歴史的経緯からみて琉球の主権は中国にある」という「沖縄領有論」に、チベット自治区をまねて「琉球特別自治区」を求める民間組織まで現れるほど、「琉球独立」を促すムードが広がっているのだ。

   わざわざ中国を喜ばすような発言をすることはない、というわけだ。

   そもそも、沖縄県民で「独立したい」と思っている人は少数派だ。琉球新報社が2012年1月に報じた沖縄県民意識調査(2011年11月、有効回答率56.9%)によると、米軍基地の「縮小」「撤去」を望む人は65.9%を占めたが、今後の日本における沖縄の立場(状況)については61.8%が「現行どおり日本の一地域(県)」と答え、「独立」はわずか4.7%だった。

   さらに、2013年5月に沖縄県知事公室地域安全政策課が公表した「中国に対する県民の意識調査」では、89.0%が中国によくない印象をもっているとした。

   普天間基地の移設問題やオスプレイの配備問題から、沖縄県民のあいだに「本土」への不信感が高まっている可能性は否定しないが、「独立」は県民の総意とはいえないようだ。

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