米CNNの英語圏向けの旅行情報サイト「CNNトラベル」が、「和歌山が日本の『穴場』である10の理由」とする記事を掲載し、和歌山ラーメンを「日本一おいしいラーメン」などと紹介して、ネットで話題を呼んでいる。
「井出商店」はラーメン愛好家にとって聖地
「大阪の影に隠れたこの小さな日本の県は、ほぼ疑いなく日本一おいしいラーメンの本場であり、1700年の歴史を持つ祭りと、巨大な露天風呂を擁している」――記事はこんな書き出しで、和歌山を知るための10の方法を紹介している。
真っ先にあがっているのは、「日本で一番おいしいラーメンを食べる」。紹介されているのは「井出商店」で、この店は日本のラーメン愛好家にとって「聖地」だと書いている。確かに、井出商店は和歌山ラーメンの代表格といえる店で、横浜のラーメン博物館にも出店しており比較的有名だ。本店はJR和歌山駅からほど近いこともあって、連日行列ができているという。
ただ、和歌山ラーメン自体は1990年代後半に東京で大ブームを巻き起こしたものの、首都圏では定着せず、現在はほとんど和歌山でしか食べられていない。そのため、この「日本一おいしい」とする選出に「かなりコア」と日本のネットでも驚きの声があがった。
CNNトラベルは和歌山にやたらと注目しているようで、「和歌山」とタグのついた記事の数は「東京」にこそまったく及ばないものの、「京都」、「大阪」、「名古屋」などより多い。
CNNはこの理由について、和歌山だけを特別に扱っているわけではないと強調しながら、「既存のトラベル情報媒体で何度も取り上げられているお決まりの情報だけではない、CNNTravelだけのユニークな情報を提供することを目指しています」と説明した。
和歌山県の「熊野古道」を含む一帯は世界遺産に指定されている。しかも、巡礼道としての世界遺産指定はスペイン「サンティアゴ巡礼の道」と並びただ2つで、かなり珍しい。その割には知名度が低いので、「穴場」として取り上げられやすいのかもしれない。