あまりにも無策ではないか―
FIFAコンフェデレーションズカップ開幕戦となったブラジル戦で、惨敗を喫した日本代表を見ても、ザッケローニ監督をこんな風に批判する気にはなれなかった。
もちろん、監督にも批判されるべき点はある。特に、懸念されたコンディションは、イラク戦のマネジメントの失敗ともいえる。
アジア予選の落ち着きを感じられなかった
だが、それ以上にこの試合で見えた課題は、選手たちの「日常」の違いだろう。
2013年6月15日、日本は開幕戦、0-3でブラジルに敗れた。
「本気のブラジルの前で、前回(2012年10月の対戦)以上に何も出来なかった。ブラジルは、個々がビッグクラブで、トップレベルでプレーしている。僕らはアジアのレベル。どんどん差が開いている」(長友佑都)
この試合、日本はとにかく慌てていた。長友をはじめ、本田圭佑、香川真司、清武弘嗣、内田篤人からはそこまでの焦りがみえなかったが、ブラジルのハイプレッシャーを浴びたボランチ、長谷部誠と遠藤保仁からはアジア予選の落ち着きを感じられなかった。それは、彼らが身を置いている環境が影響していると思う。
長谷部は、ドイツでレギュラーとしてボランチでフルシーズンを戦っていない。遠藤にいたっては、J2にいる。そういったハイプレッシャーを受けていない環境になれば、「敵が来てなくても、実際より1m2m近く感じる」(内田)。結果、ポゼッションは苦しくなり、ボランチの位置は低くなる。ラインも下がり、間延びを生み、距離感が遠くなり、攻守両面に影響した。
しかしながら、今回の敗戦は前向きに捉えることもできる。選手たちのコメントからも分かるように、W杯で勝つためにどうするべきかが明確になった。