「声優って実際そんなにスキルいるんかえ?って身も蓋もない話もあるし」--ホリエモンこと堀江貴文さん(40)の「余計な一言」がネットの注目を集めている。
養成所に通わないと仕事をもらえない、声優業界の「現状」を批判した中で出てきたものだが、声優という職業を軽んじているようだと、声優当人から反論が出て、業界人からも皮肉られることになってしまった。
「一回ホリエモンに声優やらせて思い知らせればいい」
「(スキルは)ものすごいいる。匠の世界だよ。(…)一言発するだけでそれが芸術になるような、人間国宝みたいな人がたくさんいるって私はそばで見てきて思うよ。やってみたらいいんだよ!!!」
「彼氏彼女の事情」「機動天使エンジェリックレイヤー」などで主役を務めた榎本温子さんはこうツイッターにぶちまける。
榎本さんのツイートに応じるかたちで、「新世紀エヴァンゲリオン」で主役・碇シンジ役を務めた緒方恵美さんも、声優における「スキル」の重要性をこう強調した。
「本当に難しいのは、(…)キャラクターに『呼吸をさせること』。本当の意味で『いのちを注げる声優』は、プロと言われる人の中でも、限られている。そこへの道は、本当に、…遠い。それがホンモノの『匠』であり、そこへの必要スキルは、無限大?!(…)口パク合わせだけなら素人でも上手くなれる。モノマネもね(…)。でも『誰かマネ』をやってるうちは、何者にもなれない。オリジナルには一生勝てるワケはないのだから。大事なのは自分だけの『人間スキル』だよ」
マンガ家の平野耕太さんはツイッターで、自身の作品「ヘルシング」の一場面になぞらえてこう皮肉った(ツイートは現在削除済み)。
「一回ホリエモンに声優やらせて思い知らせればいいんじゃないかな。そうだな、デブが6分間戦争大好きって演説続けるとかな」
同作品のアニメ版では、「少佐」と呼ばれる小太りの独裁者が「諸君、私は戦争が好きだ」から始まる大演説を約6分12秒間にわたってぶつシーンがある。飛田展男さんによる緩急の付いた狂気の表現には、「声優の本気」「息継ぎが大変そう」「声優さんってやっぱりすごい」といったコメントが、ニコニコ動画に多数ついている。とうてい、素人に出来るものではないというわけだ。