女優の酒井法子さん(42)が、2013年6月22日にシンガポールで行われるアジア最大級のファッションイベント「ASIA STYLE COLLECTION(ASC)」の出演を急きょ取りやめることがわかった。
酒井さんには、09年覚せい剤取締法違反で逮捕された経歴があり、出演中止もやむなしかと思われた。しかしこの「ドタキャン」をめぐり、意外なバトルがぼっ発しているという話が浮上した。
「主催者側の都合により、急遽出演できなくなりました」
出演中止は13年6月11日、酒井さんの所属事務所の公式サイトで発表された。
「アジアを中心としたエンタメ、ファッション、各国の文化交流の場として、中国、韓国、日本、ASEAN各国をサーキットする一大イベント『ASIA STYLE COLLECTION』6月22日(土)シンガポール開催に出演予定でしたが、主催者側の都合により、急遽出演することができなくなりました。楽しみにしていてくださったファンの皆様には、大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。」
公式サイトでは理由については触れられていないが、スポーツ紙は関係者の話として「日本のスポンサーが酒井さんの出演に難色を示したため」と報じている。
ASCは日本、中国、韓国、シンガポールを中心としたアジアの文化をASEANに発信することを目的としたファッションイベントで、各国の人気ブランドとトップモデル、アーティストが出演し、ファッションや音楽などを披露するというものだ。
酒井さんは13年、中国の「捜狐 Fashion Award」でアジア最優秀ファッション女優賞を受賞しており、「日本と中国の文化交流にも貢献したアジアを代表する女優」とされ、モデル、歌手として出演する予定だった。
出演中止の発表を受けて、インターネット上では「当たり前だ!」「そらそうよ」「青少年に悪影響だよ」など、「当然だ」とする声が多く書き込まれている。
「何とか酒井さんを出して」半年前から中国企業が頼み込み?
しかし中国は違うらしい。何と、スポンサーが「酒井さんが出ないなら降りる!」と激怒しているというのだ。
13年6月12日放送の「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)によると、イベントを主催するシンガポールのメディア企業に、日本のスポンサー企業から「事件のことがあって、酒井さんを出すのはちょっとイメージにそぐわないんじゃないか」と申し入れがあった、という。
一方中国のスポンサー企業は、中国で大人気の酒井さんを「何とか出してくれ」と半年ほど前から主催者に頼み込んでいたそうだ。しかし主催者は日本企業の申し入れを受け、酒井さんの出演中止を決定。怒った企業が「酒井さんが出演しないなら」と相次いで出展を取りやめ、中国のイベント参加企業がゼロになってしまったという。
ただ、現地ではそれほど騒ぎになっていない様子で、今のところこの件についてマスコミ報道はないようだ。
酒井さんは1990年代前半、パナソニックのテレビ「2188」のCMに出演していた。これが中国でも放送され、自身の曲「夢冒険」を中国語で歌い、つたない中国語で商品をPRする酒井さんが注目された。その後出演したドラマ「ひとつ屋根の下」「星の金貨」が中国で大ヒットし、高い人気を維持し続けることとなった。
覚せい剤事件もトップニュースで扱われ大きな話題となり、ネット上では批判でなく「復活する時は是非中国で!」との声も上がったほどだった。
中国では待望され、日本では敬遠される―文化交流の場でも、日中間の意識に差が生じてしまっている。「ミヤネ屋」司会の宮根誠司さんは「これで日中関係が悪くならなければいいけど…」と懸念していた。