第3回「忘れられない看護」、入選作を発表 日本看護協会ホームページで公開

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   日本看護協会などが募集していた第3回「忘れられない看護」作文の入選作品が決まり、「看護の日」の2013年 5月12日、東京・表参道の同協会で発表と表彰式が行われた。脚本家の内館牧子さん、女優の若尾文子さんらの審査で選ばれたのは、看護職部門と一般部門とも最優秀賞1編、内館牧子賞1編、優秀賞3編、入選5編の計20編だった。

心電図の波形が線になり母親の絶叫が響いた

   最優秀賞は、看護職部門が岩手県・小野寺真理さん(46)の「白いカーテン」、一般部門が奈良県・楠由美さん(35)の「光が差した瞬間」。

   小野寺さんが新人の頃に勤務していた小児科病棟のナースステーションのカーテンは閉め方で状況がうかがわれた。重症児がいる時は、心電図モニターが外から見えないよう左側が少し閉まっている。その日もそう。小野寺さんがモニターに駆けつけた時、波形が線になり、隣室から母親の絶叫が響いた。師長が数分間カーテンを全部閉め、医師も看護師も思い切り泣いた。

   楠さんの中学生の息子さんは、乳幼児期は重いアトピー性皮膚炎。楠さんも息子さんも苦労した。転居先の病院の看護師さんが、楠さんの知識や対応をほめ、「がんばってきたのね」と声をかけ、息子さんの手を握ってくれた。その時、トンネルに光が差し込んだ気持ちがしたという。これがきっかけで、楠さんは看護師をめざし、いま勉強中だ。

   内館牧子賞は、看護部門が愛媛県・八木房子さん(57)、一般部門が熊本県・伊藤ひろゆきさん(43)。八木さんは35年間の看護師生活の最後の日、がんで亡くなった若い女性患者の希望で車イスに乗せたことを思い出す。入。

   20編の作品は 6月12日まで協会で展示される。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

姉妹サイト