韓国人差別ステッカーを議員会館で販売 自民議員側は関係否定して困惑顔

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   「チョンキール」と書かれた韓国人差別のステッカーが衆院議員会館で売られていた――。朝日新聞記者がこうツイートし、ネット上でステッカー販売に批判が相次いでいる。市民団体の会議室利用に協力した自民党議員側は、販売との関係を否定しており、困惑している様子だ。

   ステッカーには、ゴキブリのような絵とともに、「ヨクキク 強力除鮮液」「チョンキール」と字が入っていた。朝日新聞社会部の石橋英昭記者が、2013年5月13日のツイートで、会議室でこんなものなどが売られていたと写真付きで紹介している。「日韓断交」というステッカーなども写っている。

朝日新聞記者のツイートがきっかけ

ツイートが物議
ツイートが物議

   この日の会議室は、沖縄復帰をめぐる学習会に使われており、石橋記者は、自民党の西銘(にしめ)恒三郎衆院議員が主催者で、日本維新の会の西村眞悟衆院議員が講演していたと書いた。ただ、続くツイートでは、「国会議員が窓口になって議員会館で学習会を開いた民間団体の関係者が、販売していたということです。議員は直接には関わってないと思います」と補足している。

   しかし、ツイートは波紋を呼び、ネット上では、「主催議員は責任をとらなければならない」「知らなかったでは済まされないぞ」などと批判が相次いだ。小説家の深町秋生さんも、「首相のヘイトスピーチ批判とはなんだったんだろう」とツイッターで疑問を呈すほどだった。

   これに対し、学習会実行委員会の中心メンバーで市民団体の沖縄対策本部では、「この写真は昨日の学習会とも主催者とも関係ありません」とツイッターなどで弁明を始めた。石橋記者もこのことをツイッターで紹介し、「主催者と無関係な人が会議室に入り、台を設け販売していたとのことのようです」と前言を変えた。

   沖縄対策本部代表の仲村覚さんは、フェイスブックでさらに事情を説明している。それによると、ボランティアを依頼した人の友人が、一緒に参加して勝手に展示したものだという。西銘・西村両議員側には、報告とお詫びをしたとしている。

「記者は事実関係確認してほしかった」

   とはいえ、西銘恒三郎議員が、差別ステッカーなどの展示・販売について知っていたことはないのか。

   沖縄対策本部代表の仲村覚さんは、取材に対し、そのことを否定し、展示の経緯について説明した。それによると、ボランティアをしていた人の友人は、前日の別の集会にも来ており、そこでステッカーなどを販売していた。友人は、学習会でボランティアをするので、そこでも販売させてほしいと仲村さんに申し出たが、仲村さんは、会議室での物品販売はできないと説明を受けているとして申し出を拒否した。

   ところが、この友人は当日、会議室のテーブルでステッカーなどを勝手に展示し始めた。これを仲村さんの仲間が見つけ、展示を止めさせたそうだ。ステッカーの販売までしたとは、聞いていないという。

   ステッカーなどは、日韓断交共闘委員会という市民団体がサイト上で売っていたが、仲村さんは、この団体のことは知らないとした。販売の意図もナゾのままで、「今後は身元チェックを厳しくするなど、注意していきます」と言っている。

   学習会の主催は、形式的に西銘議員になっているが、実際は実行委がしていたという。西銘議員は、企画・運営にはタッチしておらず、学習会にも来ていないとした。

   西銘議員の事務所では、取材に対し、スタッフがこう説明した。

「同じ沖縄の人が祖国復帰の勉強会をしたいので会議室利用の窓口になってほしいと依頼があり、こちらで借りられるようにお手伝いはしました。しかし、実行委員会からステッカーのことについて報告などがあり、どういうことなのかとびっくりしています。差別的な思想自体が困りますし、とても残念なことだと思っています。朝日新聞の方も、ツイッターで発言する前に、事実関係を確認してほしかったですね」
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