猪瀬都知事、フォロワーを色分け 「誰が味方か敵か、よくわかった」

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   五輪発言で謝罪に追い込まれた猪瀬直樹東京都知事がツイッターで騒動に触れた内容が、ネット上で物議を醸している。また余計なことを言ったと指摘されているのだ。

   猪瀬直樹都知事は、他の五輪候補都市を批判したと報じた米ニューヨーク・タイムズ紙に不満を述べただけに、まだ虫の居所が悪いらしい。

「ごくわずかなコメントに焦点」

ツイートがまた波紋
ツイートがまた波紋

   フェイスブックで2013年4月30日、発言は不適切だったと認めながらも、こう言い訳を漏らした。

「残念ながら、ご指摘の記事は他の立候補都市について触れたごくわずかなコメントに焦点があたり、私の真摯で広い意味での2020年招致への想いは完全には反映されませんでした」

   これは発言したことよりも、記事の書き方が悪いと言っているかのようだ。

   そして、5月1日には、ニューヨーク・タイムズ紙を揶揄するかのように、ツイッターでこうつぶやいた。

「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかったのは収穫でした」

   このツイートではさらに、記事が出たおかげで、開催地決定前のこの時期は、どこまで他都市について発言できるのか、IOCの行動規範における「線引き」が分かったとも述べている。つまり、他都市についての発言は、線引きを守りさえすればよいと言っているともみられるわけだ。猪瀬氏は最後に、「五輪招致、ますますいき盛んんです」と結んでいる。

   ネット上では、こうした猪瀬氏の考え方を擁護する声もある。しかし、反省の姿勢が欠けているとの厳しい指摘も相次いでいる。

「誰が味方か敵か─という話ではないので、これはいただけません」「ただ謝ればいいのに余計なことを言う」「猪瀬知事は危機管理に長けていないことが分かりました」…

知事発言に有識者からも様々な書き込み

   誰が味方か敵かについては、ネット上では、「東京都知事が五輪招致に対する最大の敵だということは分かりました」といった指摘すら出ている。つまり、猪瀬直樹氏の発言については、イスラム圏からは反発が出ていると報じられており、結果として五輪招致の最大のネックになる可能性があるからだ。

   味方か敵か分かったのは、何も米ニューヨーク・タイムズ紙だけに限らないらしい。有識者らも猪瀬氏の謝罪問題についてブログなどで書き込んでおり、発言への是非が分かれている。

   思想家の東浩紀さんはツイッターで、猪瀬氏を擁護しないとしながらも、「あれっていわゆる典型的な『マスコミが煽っている』系の記事じゃないの? なぜ外国メディアだとみなこうも素直に受け止めるんだろうね」と疑問を呈した。また、作家の乙武洋匡さんは、「『トルコへの差別発言』という論調にはいささか疑問。発言内容を読んだけど、ご本人にそうした意図があるようには感じられなかった」とツイートした。

   一方、元外交官の天木直人さんはブログで、「失言はあまりにも酷すぎる」として、知事の辞職や五輪立候補取り下げは避けられないとまで指摘した。さらに、山田肇東洋大教授は知事の辞任を、経済評論家の植草一秀氏は立候補取り下げをそれぞれブログで主張している。経済学者の池田信夫さんは、早めに謝罪した猪瀬氏は賢明だとしながらも、「民族差別したら生き残れないことも学んでほしい」とツイッターで訴えている。

   猪瀬氏はツイッターで、味方か敵かについて「私のフォロワーのことです。温かく叱咤激励してくれる人と、悪意をもつ人と」と新たにつぶやいている。

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