自らが「核保有国」であることを認めるように国際社会に迫っている北朝鮮が、友好国のモンゴルには食糧支援を求めていることが明らかになった。
北朝鮮では、2012年春から夏にかけて南西部の穀倉地帯で大規模な飢饉が起こったことが伝えられており、13年になっても食糧事情が改善していない可能性がある。
大統領公式サイトが信任状捧呈式の様子伝える
北朝鮮は、表面上は強硬姿勢を崩しておらす、13年4月22日には外務省が国営朝鮮中央通信を通じて「他の核保有国と対等な立場」を要求した。北朝鮮がすでに核保有国だということを前提にした内容だが、米国が北朝鮮を核保有国だと認める可能性は皆無で、落としどころが見つからない状態が続いている。
だが、そのわずか6日前の4月16日には、友好国に懐事情を見せていた。モンゴルのツァヒアギーン・エルベグドルジ大統領の公式サイトが、着任したばかりの北朝鮮のホン・ギュ大使の信任状捧呈式の様子を伝えている。
ウェブサイトによると、エルベグドルジ大統領が
「モンゴルと北朝鮮の国交樹立65周年にあたり、2国関係はさらに強化されるだろう」
と述べ、ホン大使は、金正恩第1書記がエルベグドルジ大統領を北朝鮮に招待したい意向を持っていることを伝えた上で、北朝鮮は経済改革を加速させることに全力で取り組んでいると話したという。
その上で、ホン大使は会談の最後に
「北朝鮮は、ひどい食糧不足に直面するかも知れない。モンゴルには、北朝鮮への食糧支援の可能性を検討するようにお願いしたい」
と述べた。
この会談の様子は朝鮮中央通信も4月19日に伝えているが、ホン大使の発言については全く触れられておらず、
「モンゴル政府と国民は、モンゴルと北朝鮮の友好関係の発展に、常に深い関心を払った金日成主席と金正日総書記のことを忘れないだろう」
といったエルベグドルジ大統領の言葉だけが紹介されている。