北朝鮮の政府高官から自民党などの歴代首相まで――。朝鮮総連の中央本部を落札した鹿児島市・最福寺の池口恵観(えかん)法主(ほっす)(76)は、その驚くほど幅広い交友関係が報道などで浮き彫りになっている。一体何を考えているのか。
プロ野球選手らが「炎の護摩行」をしたと言えば、分かる人も多いに違いない。
北朝鮮を数回訪問し、勲章も授与される
清原和博さん、金本知憲さんらは、現役時代によく最福寺で護摩行に参加していた。現役では、阪神の新井貴浩選手もそうだ。その護摩行を始めたのが、池口恵観法主だ。
報道によると、池口法主は、東京地裁で2013年3月26日に行われた朝鮮総連本部の競売で、45億円余もの高額で落札した。これは、不動産評価額の2倍にも当たるといい、最初から必ず買い取るつもりでいたらしい。
池口法主はこの日、神奈川県・江の島にある寺の別院で報道陣に対応した。そこで、池口法主は、北朝鮮の政府高官から総連本部を守ってほしいと協力依頼を受けたことをあっからかんと明かした。建物の一部は、修行の場などとして使いたいとしたものの、総連に貸し出したいとも発言した。
債務者の総連が金を出すことは法的に禁じられており、池口法主は、総連から金は入らないと説明した。資金繰りは何とかメドが立っているとしたが、巨額の費用をどうやってねん出するのかナゾも多い。
総連との付き合いは、池口法主が信者の地方議員から紹介を受けて始まったといい、09年秋には北朝鮮を初めて訪問した。その後は、数回にわたって訪問を続け、政府高官とも接触していたようだ。12年4月には、金日成主席生誕100年の記念行事に招かれ、北朝鮮政府から勲章まで授与されている。
そんな中で、池口法主に総連の話が持ち出されていた。池口法主は、よど号ハイジャック犯らとも接触があったといい、北朝鮮との関わりは深いことがうかがわれる。