東海道新幹線で「Wi-Fi」つながらない スマホ使用が増えたのが原因なのか

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   東海道新幹線N700系の無線LANサービスについて、ネット上の一部で「わざわざN700系にしたのにつながらなかった」と恨み節を書き込んでいる人がかなりいる。

   公式サイトによると、このサービスは高速走行に対応した通信方式のため、高速の回線速度を必要とする通信には不適で、アクセスが集中するとつながり難い場合があるのだそうだ。要は本格的なネット使用には適さないということだ。

「乗車率が目視でおおむね60%を超えると繋がりにくくなる?」

   「東海道新幹線の車内無線LAN接続がさっぱり繋がらない」――こんな記事が2013年3月15日、ITメディアオルタナティブ・ブログに掲載された。筆者はみずほ情報総研のコンサルタント・吉川日出行さんだ。これまでも何度か同様の事象にあっているようで「乗車率が目視でおおむね60%を超えると繋がりにくくなるようだ」という。

   このブログの過去の記事によると、11年12月ごろから東海道新幹線の車内無線LANがつながりにくくなった。プロバイダでは2012年5月末にスマホによるトラフィック増加のため、帯域制限を開始。しかし12年9月になっても問題は解決していなかったようだ。

   東京~名古屋の2時間半弱で、タブレット端末はドコモのアクセスポイントにまったく繋げられず、ノートPCはかろうじて繋がったが、断続的に切断した。

「どうやらスマホの普及で車内のアクセスポイントへの接続数が常に満杯な状態になっているようだ」

   そして13年3月15日、ふたたび「繋がらなかった」と報告した。年度末進行で多忙のため、仕事のメールを帰りの新幹線のなかで済ませたくてわざわざ無線LANサービスのあるN700系の指定席をとったのに、30分ほどねばって結局繋がらなかった、と恨み節のようにつづっている。

   同様の報告はインターネット上のあちこちで見られる。さまざまなプロパイダで発生しているようだ。価格ドットコムの掲示板には「N700系新幹線車内でdocomo wi-fiが繋がらない」といった内容のスレッドが複数立てられ、AppleのサポートコミュニティにもiPhoneが繋がらないとして、さまざまなやりとりが交わされた結果として、「softbank側&Apple側の問題ではないと思います。N700系特有の問題なので、mobilepointかJRにクレームすべき内容だと判断してます」などと書き込まれていた。「速度が出ない」といった投稿もかなりある。

   東海道新幹線のN700系では2009年から、東京―新大阪間で無線LANによるインターネット接続サービスを提供している。利用するには、NTTフレッツスポットやソフトバンクのmobilepoint、UQ-WiFiといったプロバイダとの有償契約が別途必要で、完全に無料で使えるわけではない。

「だったら自前でWi-Fiルータくらい持てよ」

   なぜ繋がらなかったり遅かったりということがあるのか。

   「N700インターネットサービス」や「N700系」のホームページを見ると、「移動中でもメールチェック」「長い移動時間も対戦ゲームで楽しく」「これからは移動中であっても、仕事が中断する不自由がなくなります」などとうたってはいるものの、下にはこんな但し書きが付されている。

「メールや一般的なWeb表示等には対応できる通信速度となっています」
「高速の回線速度を必要とする動画やデータの閲覧及びダウンロードには不適です。また、アクセスが集中するとつながり難い場合があります」

   その理由は、「N700インターネットサービス」は高速での走行に対応した通信方式のため、回線速度が1列車(編成)あたり最大2Mbpsと限定されているからだそうだ。一人頭ではなく、列車全体で2Mbpsを共有する形で、JR東海によると理論上は120人から130人まで接続できる。N700系の定員は1323人。ただ、回線速度を2Mbps以上に拡張することは技術的な面で困難だという。

   インターネット上では「つながらない」「遅い」といった訴えに対し、

「だったら自前でWi-Fiルータくらい持てよ」

という声もないわけではない。もっとも、Wi-Fiルータでも高速運行中はつながらなかったり、速度が落ちたりする場合がある。

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