パナソニックはどこへ テレビ事業を大幅縮小、ヘルスケア、ケータイ事業も売却?

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   パナソニックがテレビ事業を大幅に縮小する方向で検討している。2014年度をめどにプラズマテレビ事業から撤退。液晶テレビも自社でのパネル生産を縮小して外部調達に切り替えるとされる。

   同社は2013年3月期連結決算の最終損益で7650億円の赤字を計上する見通し。現在、2013年~15年度の中期経営計画を策定中だが、赤字が続くテレビ事業は成長戦略の「足かせ」になると判断しているようだ。

テレビ事業、巨額赤字の「原因」の一つ

パナソニックは「プラズマTV」から撤退する?(写真は、パナソニックのホームページ)
パナソニックは「プラズマTV」から撤退する?(写真は、パナソニックのホームページ)

   パナソニックにとって、プラズマTVは大型画面の画質のよさを売りものにした、「薄型テレビの本命」と位置づけていた。

   ところが、液晶TVの画質が向上したことや大画面化で、その特色が薄れた。日立製作所、パイオニアと相次ぎプラズマTV用のパネル事業から撤退。加えて、薄型テレビ市場そのものが他社との競争激化で価格が下落し、収益が悪化した。パナソニックが撤退すれば、プラズマTVを手がける国内メーカーは消える。

   同社は主力の尼崎工場(兵庫県尼崎市)でのテレビ用パネル生産を、2014年度をメドに終了する方向で調整している。薄型テレビの市場が縮小するなか、液晶TVとプラズマTVの両方の製造を続けるのは非効率なので、市場規模の小さなプラズマテレビから撤退する。

   その一方で、液晶TV事業も縮小。液晶パネルは姫路工場(兵庫県姫路市)で生産しているが、韓国のLG電子などからの調達を増やして、13年度中に外部調達比率を7割に高め、最終的には大半を外部調達にする、という。

   残ったのは、ソニーと提携して共同開発している次世代有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビだけになる。これは、14年度の製品発売を目指す。

   すでに、パナソニックは液晶パネルを製造する姫路工場に12年秋に有機ELディスプレーの試作ラインを設置。今後はプラズマTVの技術者を、液晶TVや有機ELディスプレーにシフトして、製品化を急ぐ。

事業売却で「成長戦略」明確化する

   パナソニックは策定中の中期経営計画で、「収益構造の転換」を目指している。業績悪化の原因となった事業を整理・売却し、成長分野を明確に示す狙いがある。

   そのためにはテレビ事業の縮小にとどまらず、全社的に事業を見直し、事業売却も含めたさまざまな検討を進める必要がある。その事業売却の「候補」に、血糖値測定センサーや補聴器、電子カルテ作成システムなどを手掛ける「ヘルスケア事業」があがっていて、一部の報道によると、国内企業のほか、海外の大手メーカーや投資ファンドに打診しているという。

   2013年3月19日には産経新聞が、携帯電話事業の売却を検討している、と報じた。台湾の大手端末メーカーや半導体大手が売却先に浮上。パナソニックは携帯電話事業の赤字体質を抜本的に改善するため、法人向けスマートフォンサービスの展開を並行して検討している、とされる。

   パナソニックは、「テレビ事業を含め、一連の報道は当社から公表したものではありません。成長戦略については現在、さまざまな検討がなされているところです」と話していて、報道については否定も肯定もしていない。

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