動物などのかわいい画像を集めたフェイスブックの人気ページが、2013年5月に書籍化されることになった。ネット上では著作権を心配する声が上がっているが、運営元では、できるだけ確認すると言っている。
黒っぽい毛の小柄な犬が、バレリーナのように両足を左右に広げたままお座りしている。フェイスブックのページ「癒されたらシェア!」に、2013年3月18日に載った画像だ。
ネット上では、出版後のトラブルを心配する声
そこには、「ストレッチ中のワンコに癒されたら、シェアしてね♪」と添え書きがあった。そして、「めっちゃ、かわいい!!」などのコメントとともに、この日夕には、すでに400人以上が画像をシェアしていた。フェイスブックならではの「いいね!」ボタンも、6000人以上が押している。
この「癒されたらシェア!」は、2012年3月23日からサービスが始まった。「仕事や人間関係に疲れたとき、無邪気な動物たちの表情を見て、癒されてみませんか?」がキャッチフレーズだ。動物愛好者らの人気を集め、20万人ほどがこのページに「いいね!」ボタンを押している。
ページは、福岡市のインターネット関連サービス会社「チャレンジ21」が運営している。その説明によると、読者投稿画像が8割ほどと、ほとんどを占め、ほかに海外サイトなどからの画像が出典元のリンクを張ったうえで転載されている。
そして、13年3月14日になって、「癒されたらシェア!」が本になり、5月28日に発売予定であることがページ上で告知された。それとともに、画像の著作権者がいたときは連絡するよう呼びかけ、本になれば所定の著作権料を支払うと説明した。
しかし、この告知に対しては、著作者に確認を取ってから掲載すべきだ、出版後にトラブルになったらどうするのか、といった批判的なコメントがページ上で相次いだ。
運営元「出版社でもグーグル画像検索で調べる」
そこで、運営元では、翌15日になって表現を修正し、著作権者への呼びかけは本人撮影かどうかが自己申告のためだと説明した。そして、もし本人以外に著作権者がいたときは書籍への掲載を停止し、出版後に分かったら所定の著作権料を支払うと改めた。
とはいえ、著作権への対応で運営元に非難が出ていると一部で報じられ、ネット上でも、疑念がくすぶっているようだ。
運営元「チャレンジ21」の中林秀雄社長は、取材に対し、こう説明する。
「画像流用のトラブルは責任を持って下さいと投稿者に念押しをしており、法的に言いますと、投稿した人に解決してもらうしかないわけです。しかし、本来の権利者がいれば困りますので、こちらで確認できるところをやっているんですよ。ページのサイト上で告知したのはその1つですし、出版社にも、グーグル画像検索をしてほかに権利者がいないか調べてもらっています」
運営元などが調べたところ、ツイッターから画像を流用したケースが1件見つかった。2013年3月16日にアップした、水を頭から被るネコの画像だ。翌17日に、追記で出典元のリンクを張って謝罪するとともに、著作権者からは「この記載を条件に掲載の継続をご許可いただいた」と説明を加えた。
中林社長は、「著作権料については、支払わなくてもよいとのことでした。本では、クレジットをつけて出すということで了解していただいています」と言っている。