原爆の惨禍を伝える広島平和記念資料館(広島市)がリニューアルに伴い、被爆の様子を再現した人形を撤去する予定であることが話題になっている。
問題の人形は原爆投下直後、大やけどを負って廃墟の中に立つ被爆者の姿を再現したもの。1973年以来同様の展示が行われており、原爆による被害の甚大さを表現したものとしてよく知られる。
平和記念資料館は2018年を目処に、「被爆者の遺品や原爆によって変形した瓦、ビンなどの実物を中心に、より客観的に被爆の実相を伝える」(広島市)というコンセプトで全面リニューアルを行う予定だ。2010年まとめられた基本計画でもこの方針に基づき、人形の撤去が盛り込まれていた。2013年3月14日、市議会予算特別委員会で市担当者から改めて「撤去」の考えが示された。