「開戦間近」「工作員潜入中」「米国も助けに来られない」… 韓国ネット「北の恐怖デマ」飛び交う

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   北朝鮮の強硬姿勢で朝鮮半島に緊張が漂う中、韓国ネット上では「開戦」に関するデマが相次いで飛び交い、ちょっとしたパニックが起こっている。

   デマの舞台になっているのはツイッターなどのSNS、そして韓国版LINEとも言うべき「カカオトーク」などだ。デマには「明日は学校休みになるらしいよ!」といったものから、「工作員潜入中」「開戦はすでに間近」というような危ないものまで。韓国市民は相当神経を参らせている様子だ。

俳優スキャンダルも「戦争隠し」の陰謀?

北朝鮮と韓国が「開戦間近」だという文章を転載したブログ。「皆さん、生きてまた会いましょう(涙)」などと取り乱したコメントも見られる
北朝鮮と韓国が「開戦間近」だという文章を転載したブログ。「皆さん、生きてまた会いましょう(涙)」などと取り乱したコメントも見られる

   核実験に対する国連安保理の制裁決議、米韓の合同軍事演習に対抗する形で、ここ数日北朝鮮は目立って攻撃姿勢を強めている。2013年3月11日には朝鮮戦争の休戦協定「白紙化」を一方的に破棄したのを皮切りに、板門店のホットライン遮断、金正恩・第一書記による前線視察などの挑発行動が相次いで行われた。主要機関が地下に移動した、国民には20日分の非常食が配布されたなど、その「臨戦態勢」を伝える報道も続いている。

   当然韓国もこの動きに警戒を強める。キム・グァンジン国防相は11日、「深刻な危機」との認識を示した上で、軍事挑発に対しては「直ちに反撃する」と明言した。10年に砲撃を受けた延坪島を始め国境付近の島では、すでに住民の一部が避難するなどの動きも出ている。

   こうした緊張感の中で10日、子どもたちの間でこんな投稿が拡散したことを複数の韓国メディアが伝えた。

「【緊急】全国教育庁より 北朝鮮挑発のため、全国小・中・高・大学一時休校のお知らせ」

   北朝鮮の「休戦破棄」に備え、11日は全国の学校が休みになるというこの噂は、ツイッターやカカオトークを通じてみるみるうちに広がった。しかし実際にはまったくの事実無根。慌てた教育庁が「ちゃんと登校するように」と呼びかける騒ぎとなった。

   また9日、東南部の沿岸都市・浦項などで起こった山火事についても、実際には少年の火遊びが原因にもかかわらず、ネット上では「北の工作員による後方かく乱」という説が流布した。変わったところでは、韓国の芸能界で大きく報じられている人気俳優パク・シフさん(34)の女性暴行疑惑が、戦争から国民の目をそらすための「目くらまし」では、との憶測まで飛び交う。

「第3次世界大戦が起こる!ソウルは火の海だ!」

   特に過激なのは、「今、笑うことができる韓国人はいない」なる出所・根拠ともに不明の文章だ。

「いよいよ始まった、第3次世界大戦だ。北朝鮮が配備したミサイルは120~200キロを飛ぶ長距離ミサイルで、その標的はソウルだ。距離が遠いため、米国もすぐには助けに来られない……」

   カカオトークなどを中心に出回っており、戦争勃発が間近に迫っていること、そして戦いが始まれば韓国も大きな被害を受けるだろうと悲観的な見通しを書き連ねる。末尾には「100%正確な情報だ。知っている人もまだ少ないので、急いで共有しよう!」との一文が。いわゆる「不幸の手紙」式に拡散を続けているらしい。

   韓国のテレビ局・朝鮮放送では、「若者が問題の深刻さを理解できていないために、こうしたデマが起こるのでは」との識者の声を紹介する。一方朝鮮日報は、「国が有事対策をきちんと説明しないから、不安ばかりが広がるのだ」と政府の無策ぶりを批判した。

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