大阪市の橋下徹市長が共同代表として率いる日本維新の会で、橋下氏と国会議員団との間の溝がいよいよ顕在化してきた。
次期日銀総裁の人事案をめぐり、一部国会議員が橋下氏について「口出ししないで欲しい」と批判したところ、橋下氏が激怒。「以後、維新の会には関わりません」と突き放した。
一部野党は「民間から起用すべき」と政府案に反対姿勢
日銀総裁の人事は国会の同意が必要で、政府は2013年2月28日、黒田東彦・アジア開発銀行総裁を起用する人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に提示している。黒田氏は財務省OBで、みんなの党など一部野党が「民間から起用すべき」と反対姿勢だ。橋下氏もこれに同調する形で、「まず、民間人から人材を探るのが維新の会の哲学」と主張。「リフレ派」として知られる岩田規久男・学習院大教授を起用すべきだとした。
だが、国会議員団に目を向けると、小沢鋭仁国会対策委員長は政府案を「ベストに近い」と高く評価。中には「橋下氏は口を出さないでほしい」と発言した国会議員もいたという。これに激怒したのが橋下氏だ。
橋下氏は2月27日、
「これから口は出しませんが、以後、維新の会には関わりません。皆さんで自由にやってください」
と、怒りのメールを国会議員団に送った。2月28日にも、記者からメールの真意を問われ、
「口出すなって言うんだったら、関わらないですよ」
「そんなことまで言われて、代表のポジションにしがみつくような、そんな僕は、人生哲学持ってませんからね!」
と改めて怒りをぶちまけた。