カフェの長時間の利用はお断り―――こんな報道をきっかけに、ネットで大論争が巻き起こっている。喫茶店やカフェで勉強などをして長居するのに否定的な人と、容認する人との間でホットな意見が戦わされているのだ。
店のほうでも、席に座っているお客と待っているお客の両方に公平に対応するため、四苦八苦しているようだ。
「空間を提供するのをやめるのならじゃあ何を売るつもりなの」
京都新聞は2013年2月22日、「長時間の自習やPC利用お断り 京の大手コーヒー店で増加」との見出しの記事を掲載した。京都市内の大手コーヒーショップで、長居されると他の客が入店できないため、長時間の自習やパソコン利用を控えるよう呼びかける店が増えているという内容だった。
これは、京都に限ったものではなく、東京はじめ全国である話のようだ。記者も「混雑時のご利用は1時間までとさせていただきます」といった掲示を、都内の駅や人の密集するエリアに位置する大手コーヒーショップで見たことがある。
こうしたことを受け、ツイッターや2ちゃんねるなどで、カフェでの長居について議論が巻き起こっている。「たった1杯のコーヒーで粘るな、店に迷惑だから飲み終わったら席を譲れ」という長居否定派と、「コーヒー代のほかに場所代も払っているのだから」などとする容認派で、意見が真っ二つに割れているのだ。
「飲食店を占拠して長時間勉強に使うとか自己中にも程がある」
「混んできたら店出るぐらいの配慮がないと、自分の好きな店が無くなるぞ」
「えっ、空間を提供するのをやめるのならじゃあ何を売るつもりなの。まさかコーヒーを売って商売にしようっていうの」
「急に注意されるのはなんだかなという感じ。そういう規則はないし店員の命令と独断だからな。従う必要はない」
また、「お店の格って関係あると思うから学生気に入らないて人は値段の高いとこ行けよって思う」という人もいる。
タリーズ「すでに席に座っているお客様にも、待っているお客様にも公平に」
実際、長居するお客をカフェや喫茶店の側ではどう見ているのか。
JR新宿駅(ルミネエスト)の地下1階に位置するビア&カフェ「ベルク」の店長は、「少なくともベルクでは、こういう張り紙(ルール化)はしない。その場その場で対応していきます」とツイッターに書き込んだ。
大手コーヒーチェーン、タリーズコーヒージャパンの広報担当者は、J-CASTニュースに対し、会社として対応に決まった方針があるわけではなく、原則としてお客が店をどう利用するかは自由だとした。その上で、こう話す。
「ひっきりなしにお客様のご来店がある中で、満席の状態があまりに続くようであれば、店舗独自の判断で、黒板に利用時間を書いて掲示したり、お声かけさせていただいたりといったこともあるようです。すでに席に座っているお客様にも、待っているお客様にも公平に気持ちよく過ごしていただけるよう、ご案内の仕方等も工夫して対応しています」
ただ、どういった場合に誰に対してどのように退店をうながすと判断するかが、非常に難しい問題であるため、現場スタッフと本社で密にやり取りをして対応を考えているそうだ。
このほか、ドトールは「長居の定義がわからない。店舗数が多いため広報部として統一的にはお答えできない」の一点張り、スターバックス・ジャパンからは締め切りまでに回答を得られなかった。