栃木県が韓国ドラマロケで3000万円計上 主演の人気俳優降板で支払いどうなる

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   栃木県日光市などがロケ地としての制作支援などで3000万円を支出する予定の韓国ドラマ「都市征伐」(仮題)が韓国で放送中止になり、そのお金が今後どうなるのかが話題になっている。

   ドラマの主演に起用された韓国の俳優で歌手のキム・ヒョンジュンさん(26)は、その歌がオリコンチャート1位になるなどして日本でも知名度がアップしている。

キム・ヒョンジュンのファン数百人押し寄せる

   ヒョンジュンさんは、栃木県日光市などで2012年7月にドラマのロケを行った。ヒョンジュンさんが来日すると、ロケ地では、ファンら数百人が押し寄せる騒ぎになった。

   韓国ドラマは、秋田県内が09年にイ・ビョンホンさん(42)主演の「アイリス」ロケ地になって、韓国からの観光客を大幅に増やしたことがある。このことなどから、日光市では、都市征伐のロケ地に選ばれたことで、経済効果が2億円に上ると見込んだ。そして、県とともに、計3000万円を予算化し、韓国の制作会社を支援するとともに観光パンフレットやポスターなどを作って韓国で配ることにした。

   ドラマは、13年3月から韓国放送公社(KBS)で放送される予定だった。ところが、日光市などに2月11日になって制作会社側から放送中止の連絡が入り、3000万円が宙に浮く事態になっている。

   市によると、中止理由としては、台本修正などを巡って制作会社とKBSが合意できなかったことが挙げられていた。韓国メディアの報道では、制作会社が政治的な配慮の不当性を訴え、それに対し、KBSがドラマの暴力性などだと反論したとされている。

   市や県によると、制作会社側は、ほかの放送局で流せないか協議している。しかし、ヒョンジュンさんは、スケジュール調整などの都合から、ドラマを事実上降板したと韓国メディアが大きく報じた。

キャストが変われば、支援額なども見直される可能性

   秋田県がロケ地になったアイリスは、イ・ビョンホンさん効果で、韓国での視聴率が平均で30%ほどにも達した。そして、秋田の認知度がアップする効果があるとして、県では、続編の「アイリス2」に制作支援などとして3824万円を予算化した。

   ところが、アイリス2は、イ・ビョンホンさんがスケジュールの都合などから降板し、2013年2月13日の初回視聴率は14.4%に留まった。

   今回の都市征伐では、人気俳優のキム・ヒョンジュンさんがこのまま降板するとすれば、同様な視聴率低下も十分に考えられる。それでも、日光市などは同様な制作支援などを行うのか。

   この点について、市の観光振興課では、こう説明する。

「降板するかどうかはまだ分かっていませんが、もしそうなった場合は、市への誘客などにつながるか精査をします。もともと大スター出演を前提にした支援ですので、キャストが変われば、支援額なども見直される可能性はあります。あまり見られないドラマでしたら、支援のメリットは薄れるでしょうから」

   もっとも、ドラマの放送がなくなったら、3000万円の支出はないと言っている。

   ただ、ネット上では、そもそも韓国に制作支援することに疑問の声が多い。「こういうこと自治体がするのやめたほうが」「なんで撮影場所の方が金払うの?」といった書き込みが相次いでいる。

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