「ドラえもんが生物として認められない」理由を問う問題が中学入試で出題され、インターネット上で話題になっている。
入試で「ドラえもん」について出題されることに驚く声や、「本当に生物ではないとしていいのか?」という疑問の声などが上がり、識者からドラえもんファンまで大盛り上がりだ。
解答は「自分が成長したり、子をつくったりしないから」
2013年2月1日に行われた、「男子校御三家」として知られる名門・麻布中学校の理科の入試で、「右図は、99年後に誕生する予定のネコ型ロボット『ドラえもん』です。この『ドラえもん』がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい」という問題が出された。
受験情報サイトの「インターエデュ・ドットコム」が1日夜、この問題と「ドラえもん自身が成長したり、子孫を残すことができないから」という解答例を掲載したところ、インターネット上で「珍しい問題」として話題になった。
「中学入試の問題…だと…?」「これすごいなぁ」など異色の出題に驚く声、「普通に考えたらロボットだからだろ」「フィクションに登場するキャラクターなので、そもそも生物ではないのではないか」など「そりゃそうだろ」という意見がある一方、「ドラえもん、心は温かいと思うよ…。だから生物として認めたいというのが本音」というドラえもんファンの思いなどがある。「成長しない、子を作らない」という特徴が「童貞で無職の自分」にも当てはまるとして、「自分は生物ではなかったのか」という「自虐ネタ」のツイートも見られた。
さらにまとめ作成サービス「NAVERまとめ」では、「エリート達震え上がる」として、「麻布中学の問題が凄い」「外資系の就職試験みたいだね」「むむむ、面白いなあ」など、大学教授や予備校講師のツイートを紹介している。
「学習能力があるのだから成長しないということはないだろ」
「奇問」扱いされたこの問題だが、実は問題を解くための前提となる文章がある。
それは、「『生物であると判断するための特徴』とは、どのようなものか」というもので、「特徴A:自分と外界とを区別する境目をもつ。特徴B:自身が成長したり、子をつくったりする。特徴C:エネルギーをたくわえたり、使ったりするしくみをもっている。」と、生物の定義が説明されている。
この文章を受けての問題だったので、きちんと読み解けば答えが導き出せる。
ただ、この「生物の定義」に疑問を持つ声も多い。身長や体重が増える、爪や髪が伸びるといった「身体的な成長」を指しているが、「ドラえもん自身には学習能力があるのだから成長しないということはないだろ」という「精神的・頭脳的な成長」はしているという反論もある。また、「単細胞生物の中には子孫を作るんじゃなくて分裂して増える奴もいるよね。ドラえもんもフエルミラー(編注:人や物を2つに増やすことができる道具)とかで自己複製できるから生物じゃない?」というツイートもあった。