修学旅行先の沖縄で女性教諭を海に落とせと生徒らに命じたとして懲戒処分を受けた埼玉県立所沢商業高校の男性教諭(36)が、ネット上で話題だ。県教委は、男性教諭に悪意性はなかったと言うのだが…。
リゾートホテル前のプライベートビーチで2012年10月12日午前、シュノーケリングの体験学習をしているときだった。
海に投げ込まれたことを上司に報告し、問題が発覚
埼玉県教委の県立学校人事課などによると、硬式野球部顧問の1人でもある男性教諭は、部員の2年生男子生徒5人を呼んで、いきなり突拍子もない指示を出した。
ともに学習ぶりを監督していた40代の女性教諭が砂浜のベンチに座っているのを指し、「捕まえて海に落としてこい!」「投げ入れてこい!」などと命じたのだ。
5人は、そんなことをするのはイヤだと、最初は聞き流した。しかし、男性教諭がしつこく指示するため、うち4人が女性教諭のところに行き、手足を持って海まで運び出した。女性教諭は大声を上げて抵抗したが、4人は砂浜を15メートルほど運んだ後、海に入った。そのまま15メートル沖まで行き、教諭の体を振って海に投げ入れた。
水深40~50センチほどの膝丈の浅瀬だったため、女性教諭は自力で立ち上がり、けがはなかった。ただ、洋服のままだったので、頭からずぶ濡れになった。
教諭は、そのとき大変な恐怖心を感じたといい、旅行後に海に投げ込まれたことを上司に報告し、問題が発覚した。
県教委の事情聴取に対し、男性教諭は、生徒らに指示したことは認めておらず、「海に入りたいみたいだよ」「海に連れて行けば」としか言っていないと主張した。しかし、女性教諭も指示している声を聞いたと言っており、生徒4人の証言とも一致しているため、県教委では、指示したのは事実だと判断した。
県教委はそのうえで、男性教諭を停職1か月の懲戒処分にしたと13年1月24日に発表した。新聞各紙にその内容が報じられると、ネット上では、そのナゾすぎる行動に注目が集まった。