中国で高級食材・フカヒレの偽物が大量に流通しているそうだ。豚ゼラチンを人工的に加工したもので、実は日本国内でも出回っている。
ネットでは「やっぱりか」「そんなもんだよな」などと納得する人が多い。
よほどの美食家でない限り、ニセモノと見抜くことはできない
中国国営TV(CCTV)は2013年1月8日、北京市内の多くの高級レストランで偽フカヒレが本物と混ぜて供されていることを報じた。それによると、人工フカヒレは豚ゼラチンとアルギン酸ナトリウムなどからつくられる。食べても無害だという。本物のフカヒレもほとんどがゼラチンであり、一般の客ではよほどの美食家でない限り、ニセモノと見抜くことはできない。無臭で、強く引っ張ると切れてしまうが、本物には若干のアンモニア臭があり、弾力に富んでいることで判別ができるそうだ。
海外産のフカヒレを輸入し、加工・販売する都内の業者は、J-CASTニュースに対して、
「自分達のあつかっているものと同じような外観で、何分の一かの値段で流通しているとしたら心配だ」
と話した。
ただ、ネットではこんな醒めた反応が多い。
「でもフカヒレなんてそんなもんだよな」
「まあさすがにフカヒレはそうそうホンモノだと思ってないよ」
インターネットのグルメサイト「食べログ」にも、中華料理のレビューに「人工フカヒレでは」と疑う書き込みがいくつか見られる。
実は、日本でも「人工フカヒレ」は製造されている。価格は日本国内で購入できるフカヒレの1割程度と非常に安く、国内の安価な「フカヒレ入り食品」のフカヒレは人工であることもあるそうだ。なお、国内の製造業者によれば、日本国内では原材料表示を見れば「アルギン酸ナトリウム」などと書かれているため、一目で分かるという。
米国では残酷だとしてフカヒレを禁止する動きも
人工と表示されない場合には問題があるとしても、こういった人工フカヒレがすべて「悪」というわけではない。フカヒレの供給量は不足していて、価格が高騰している。国際条約による保護に加え、乱獲もあって量の確保が非常に困難になっている。また、サメからフカヒレをとるのは残酷だとしてフカヒレを禁止する動きもアメリカで出ている。米カリフォルニア州では2013年7月1日から、中華スープなどに使われる高級食材フカヒレの所持・販売が全面的に禁じられる。これはハワイ州などに続く措置だ。
こうした流れを受けて、人工フカヒレは代替品として需要を伸ばした側面もあるようだ。
「人工的に作れて美味いならもうそれでいいんじゃないの?」
「ちゃんと、これは本物のフカヒレではなくニセモノですってアナウンスすればね」
こうした意見も、ネットでは複数見られた。