ネット通販Amazon.co.jp(アマゾン)の300円前後の商品のうち、一部が単品で注文できなくなった。ほかの商品とあわせた合計金額が税込み2500円以上にならないと購入できない。こうした商品は、「あわせ買いプログラム対象商品」というアイコンがページに表示される。変更の理由には配送コストが関係しているものと見られる。
アマゾンは2013年1月3日頃、新たに「あわせ買いプログラム」を導入した。
ヘルプページの説明によると、「あわせ買いプログラム対象商品」とは、配送コストの都合で単品では注文できない低価格帯の商品を指す。
品ぞろえが拡大し、よりバラエティに富んだ商品を
これとプログラム対象外を含むほかの商品とあわせて、合計注文金額が税込み2500円以上になると、通常配送料無料で購入できるというのが、「あわせ買いプログラム」だ。プログラム対象外の商品については、これまで通りの通常配送料無料を続ける。
具体的に、どんなものが対象になっているのか見てみると、2本入りで355円のカミソリや1ダースで324円の鉛筆、274円のシリアルなどが確認できた。おもに300円前後の商品のようだ。ただ、この価格帯の商品がすべて「あわせ買いプログラムの対象商品」というわけでもない。221円の絵の具はプログラム対象外で、現在でも単品で注文できる。
アマゾンの説明では、あわせ買いプログラムにより、低価格帯商品の品ぞろえが拡大し、よりバラエティに富んだ商品が並ぶようになったそうだ。要するに、これまで通常配送料無料だとアマゾン側で負担する配送料のほうが高くつくので展開できなかった低価格の商品を、より積極的に取り扱えるようになったということらしい。
なお、Amazonプライム会員でも、「あわせ買いプログラム対象商品」は計2500円以上にならないと注文できない。Amazonプライムは年額3900円を支払った会員に対して、「当日お急ぎ便」(即日配送)、日時指定便などの手送料含む配送料が無料になるサービスだ。
「鉛筆一つを送料無料で買えたほうがおかしかった」
アマゾンの全品通常配送料無料サービスは2011年11月に開始された。これまで、国内のネット通販各社はアマゾンに追随する格好で、配送料無料を導入してきた。ファッション通販のZOZOTOWNでは12年10月、「送料が高い」というユーザーのツイートに社長が「ただで商品が届くと思うんじゃねえよ」などと「逆切れ」して炎上、その直後に全品配送料無料化を発表した。また、国内最大手の楽天も、13年1月4日、J-CASTニュースに対して、物流の強化に関連して、なんらかのかたちでの配送料無料化を検討していると話した。
こうしたアマゾンが自らつくりだした流れに、逆行しているともいえそうな今回の「あわせ買いプログラム」。意外にも、ネットユーザーには「そのほうが普通と思う」などとすんなり受け入れている人が多い。
「全部無料は流石に無理があるだろうと思ってた」
「むしろいいことなんじゃねーの。鉛筆一つを送料無料で買えたほうがおかしかったんだって」
「運送会社ではここからの膨大な荷物で溢れかえってるとの事もあるらしいので、致し方無いかも... 」
ただ、「送料を別途支払えば単品で買えるかたちにしてほしい」「プライム会員もダメなのか」といった不満の声もないわけではない。